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  1. 今の思い
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思い

歌舞伎役者の市川団十郎さんの本葬で、息子の海老蔵さんが辞世の句を披露されていました。

色は空 空は色との 時なき世へ

いろはそら そらはいろとの ときなきよへ

とよまれていました。

多くの方とおそらく同じく「色即是空」が下敷きにある辞世なんだろうな、と感じ、いろ、と、そら、ではないんじゃないか、など、失礼なことを考えたのですけど。

解釈はひとそれぞれ。その通りなのでしょう。

父は空や宇宙が好きだった、と語る息子さんの思いの中では、いろ、であり、そら、だったんだと得心しました。

海老蔵さんがとっても頭の柔らかい、頭のいい人なんだな、と感心したのは、みの氏のクイズ、ミリオネア、に出演された時のことでした。博識ぶりが並ではなかった。勉強されてるんだな、と感じました。

色即是空、という言葉も概念も、当然、知っておられて、あえていろ、そら、とよまれたのかなあ、と。

お父さんは、空や宇宙が好きだった、のですから。

そういうお父さんを、とても愛した息子さんだったのでしょう。


国文学者の久保田淳氏は(今まで存じ上げなかった方です・・・のに、勝手に引用)

<般若心経の「色即是空、空即是色」を踏まえて詠んだのではないか。すべての煩悩を超越して、私の魂は永遠に変わらない世界へ行く、という意味が込められている。この世に未練を残していない、大変に穏やかな状態。>
だと仰っているそうです。

68歳はまだ若く、ついこの前の勘三郎さんも同様、幼いころから研鑽を重ねて積み上げた芸の、これからが本当に円熟の域に入って行く、という頃の、惜しい死です。

自分の死期を見定めながら、家族や周囲に真底感謝しながら、ひとりの時のこころの中に、ふっと、なんとも言えない気持ちが宿った、とも、ふと、思います。


先日の

人間五十年 下天のうちをくらぶれば 夢幻のごとくなり>や、なにわのことも夢のまた夢>とに通う、すべては夢にてありにし候・・・の、思いが。

新装なった歌舞伎座の前を、霊きゅう車で通りますかとの案に、海老蔵さんは「父は(魂になって、もう既に)見に行っているだろうから」、と、答えたとか。

こういう話の通じる日本人はいいな、と、思いました。

そして。

・・・今年になって訃を聞いた中で、きっとずっと忘れない「最後の言葉」。

波乱万丈のひとよを、明るく生き抜かれたその方の、最後の言葉が「もう 逝くわ」だったとか。

何の変哲も無いようで・・・なんとも言い難い思いを感じ・・・私の心の中に住みついた、忘れがたく愛おしい言葉になりました。


ご冥福を、お祈り申し上げます。


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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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