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空の青い日に

昨日の空は青かった。

大阪と奈良を古くから結ぶ、奈良街道という道があります。大阪からたどり着いた人は、最後の坂を超えると、やっと奈良のみやこに着いたと、ホッとされたとか。

わたしは奈良方面からのヒトなので、その言い方で言うと大阪寄り、古い小川を超えてしばらく行くと、般若時というお寺があります。かつて台風で倒れたが再建された九輪塔と、なにより、境内を埋め尽くすコスモスが有名で、コスモス寺とも呼ばれます。

青い空と一面のコスモスが、陶然とした世界へ誘ってくれるお寺・・・なのですが、昨日は、そこへは行きませんでした。

コスモスの般若寺のほん手前に、レンガ造りの重厚な建物が、威風堂々という感じに、そびえています。

奈良少年刑務所。

明治41年に、受刑者の手で一枚一枚焼き上げられた煉瓦でつくられたという建物です。

年に一度、空の高く透き通るこの時期に、一般の人も中へ入れる、奈良矯正展という催しが開かれます。そこへ行って来ました。

前置きが長くなりました。なんだか、本筋に近づくのがもったいない、ような、奇妙な感覚にとらわれています。


正門から入れてもらいます。

正面には、警官の制服というのとはいささか違う、けど、どこかイカメシイ制服姿の男性や女性が何人も立っておられて、こんにちは、とか、ようこそ、な感じで頭を下げて、つまり歓迎して下さっている、様子です。

私は、来たいとずっと願いつつこれが初めてで、どんなところか見てみたい、いい買い物もしたいと言う、大変ヨコシマな気持ちをたくさん抱えて行った身でありまして、いやいや、いつも、お仕事ご苦労さまでございます、みたいに、なんかペコペコしてしまって、中に入りました。

右手のホール(多分)では、ミニコンサートや吹奏楽の演奏が行われている模様でしたが、わたしは、まず、目の先に広がる様々な物品販売の露店に吸い寄せられてしまいました。

柿渋で染めたポシェットを、これ下さい、と買ってしまいました。

それと、函館刑務所・産の、極小の定期入れ(のようなもの。渋いエンジの唐草模様で、ふたを開けると「獄」という文字が)。丁寧に角を丸くしてある、ぱたんと蓋を閉められる木製のゴミ箱を買い、多用途カバーを握りしめ、あれを買い、これを買い、車を停めに行くからと、先に私だけを送り込んでくれたぢいさんが、来ないうちにと、必死でものを買いまくっておりました。

わがぢいさんは、ケチでも文句たれでも無いですが、私がものを買う、買いたがる情熱が、結婚後、四捨五入すれば40年、になんなんとする現在でも、理解しがたいようで、めんどくさいから不要な摩擦を避けて行きたい私、一緒にいるとなかなか、欲しいだけのものを買えませぬ。

もう物欲も滅少しかけていて、ほんとに欲しい物しか、最近では買わないのですが。だから、うまくやれているのですが。

・・・そこで売られているものは、安かった。

質がそれなりで安いものは氾濫しています、でも、受刑者の作った品は、質が高く・・良くて、安いのです。皆様もそれは、ご存じと思いますが。

奈良矯正展、の催し名が示すように、ここでは、罪を犯して収容されている人々が、再び社会へ出て行って、再び罪を犯すというようなことが起こらないように「矯正」ということをしっかり行われているのだとか。

日本中に「少年」と名のつく刑務所が、何か所あるのか、詳しくは知りません。知る範囲ですと、姫路市にもあって、そこも、奈良と同じく、26歳くらいまでの年齢の人々が、収容されているのだとか。

・・・あのホリエモン氏、彼は成人で、長野刑務所に服役中で、毎日、中での「仕事」に従事している。

食べ物を配る係だったり、高齢受刑者、病気の受刑者の、介護であるとか、していて、月々の報酬・・・(?)が、たとえば3千数百円。月収が、です。

ホリエモン氏は、その「月収」の、毎月10倍を、現在の「地元」である栄村というところの震災復興のため寄付しているとか。

あの(しつこい)ホリエモンが、月に数千円。

奈良での受刑者も、ほぼ、同じだと想像します。

丁寧に丁寧に木を削って。ここでは、奈良の伝統技、一刀彫での雛人形まで、作られているそうですが、ひと削り、ひと削りは、経済活動でなく、矯正のために行われていることだと。

安い、安いと買いましたが、単に「安い」ものでないことを、よおく、考えた次第です。

お金を稼ぐ目的での作業でなくても、ちょっと沢山うれたなら、皆さんのおやつがちょっとウフフ、なものが出るとか・・・だといいのに、とか、考えていた呑気者です、すみません。

・・・と、KUONのよだれ、世迷言がだらだら続きましたが。

ひょい、と中に入って、ヨダレみたいなことを考えて、自分のいつもの世界へ帰ってしまう私のようなヒトでなく、もっと身近に、そこに「入って」いる若い人たちのことを、考えているひとも、おられる訳です。

奈良在住の、寮美千子さんという詩人もそのお一人で、もちろん知己も無い方ですが、新聞などでお名前などは散見する。

寮さんが、奈良刑務所の若い人たちに、詩を書いてごらん、と働きかけておられるのも、知っていました。

もっと言えば、後に述べる「詩集」も、読んでいます。

昨日、実際に、奈良少年刑務所へ行って、ベンチに座ってソフトクリームをなめながら、あれこれ、思いました。

        「くも」


    空が青いから白をえらんだのです


この詩は、この一行です。

他に「空が青いから白をえらんだのです」というタイトルの詩集を読んだ方のコメントとして、



好きな色。「何も書くことがなかったら、好きな色について書いてください」寮美千子先生は課題を出しました。それを受けてB君が書いた詩。

  ぼくのすきな色は青色です。
  つぎにすきな色は赤色です。

 この二行だけ。あまりの直球に、さすがの寮先生も言葉につまります。私なら、「これが詩ィか?まじめにやらんかい!」と言ってしまいます。ところが二人の生徒が手を上げます。
 「ぼくはB君の好きな色を、一つだけじやなくて二つ聞けてよかったです」
 「ぼくも同じです。B君の好きな色を二つも教えてもらってうれしかったです」
 私はこの二人のやさしすぎる感想を読んで涙がとまりませんでした。他の生徒が言います。
 「B君は、ほんま赤と青が好きなんやなあって、よく伝わってきました」
 彼らはもはや仲間です。思いがこみあげてきます。「なんでそんなええ子なんや。なんでこんなええ子が、刑務所に入るようなことになったんや。」 全ての子供に、だれかがこんな声をかけてあげたら、刑務所に来る人間はいなくなると思います。どんな犯罪者も生まれた時は、宝の子なんですから。
 まだもっとすごいのもありますが、とりあえず。



人間と言うものは多面体で、いろんな面を持っている。

何が「いい」で何が「悪い」かを、バッサリ、直線で断ち割って断じることも、難しいでしょう。

とはいえ、少なくとも「少年刑務所」というところへ、現実に入ってるということは、いわゆる「普通」でない何事かが、あったということ。その陰には被害者、という立場の方々がおられる。

昨日の所内の庭はにぎわっていて、親子連れで訪れている人々、カップルで楽しそうにうどんをすすっている人々。

どこも掃除が行き届いていて、外のトイレもぴかぴかでした。

日曜日は作業も休みで、収容されているひとたちは、自分たちの部屋にいるのだろう、賑わう声が届くことはあるのか、転んで甘えて、パパの脚にしがみつく幼い子の声、はじけるような、母と子の笑い声。そういったものが、耳に届くことは、あるや、無しや。

届くのだろうか、届かないのだろうか、届いて欲しいのか、欲しくないのか。自分だったら、淋し過ぎて聞きたくないかも・・いや、無性に甘いものが欲しい時があるように、かすかにでも、聞いてみたいか。

わかりません。

他人の、当たり前風の幸せの様子が、たまらなく苦しかったことが私にもあったし。

・・・ゆっくり過ごして出る時、正面の脇に、守衛さんが日ごろは出入りを見張っているらしい小部屋がありました。

外から見ると、その小窓には、がっしりとした鉄格子がはめられているのでした。

駐車場まで、長く高く続く煉瓦の塀。

「面会の時とか、この塀のそばを通る時、ここにいる子の親御さんは、辛い思いだろうねえ」。

つい、そんな言葉が口をついて出ました。

ぢいさんが言いました。

「ここで辛がってくれる親がいるなら、その子は幸せだ。まだやり直せるよ」

・・・わたしの夫は、経済的にはともかく、仲の悪い両親(&、その各身内・大人数)の間で、気持ちをぐちゃぐちゃにされながら大きくなった人間の一人です。でも親孝行です。えらいかも~。

で、そのヒトは「自分だって、少し何かが違っていたら、こういったところか、違う意味の鉄格子のある病院へ入ってたよ、ここでこうしているのは、自分がえらかったのでも何でもない、偶然みたいなものだ」と、言うのです。

私も実は、そう考えているところがあります。

帰り道は、なぜか「原罪」とかいうものについて、しゃべりながら、あ~、腹へった~、とも、わめきつつ、で、ありました。

売り切れで、ソフトクリーム以外にありつけなかったのでした。

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  1. 2012.09.11 (火) 00:21
  2. URL
  3. sarah
  4. [ edit ]

こんばんは^^

私の頭の中に浮かぶ映像v-265

水色の空
白い雲

灰色のコンクリートの長い塀
茶色のレンガの長い壁
赤茶色の窓を覆う錆びた鉄格子

黄色いカンナ
赤いダリア

私の頭の中に浮かぶキャストv-338

ぢいさん・・・高倉健
KUON・・・岸恵子
刑務官・・・中井貴一&三浦友和
囚人・・・伊藤英明&佐藤健

タイトルは「空の青い日に」v-278

テレビで高倉健のインタビューなど見まして
(私の頭の中の)ペ・ヨンジュンと完璧にシンクロしてしまいました
いつか映画で共演をv-496v-505

PS
ホリエモン、好感度が急上昇しましたv-218
ほんとうの悪人はほかにいますv-31
でも、悪人ほど強い力で守られているようなv-390
  1. 2012.09.11 (火) 13:35
  2. URL
  3. えま
  4. [ edit ]

今日はどこまでも青い空

v-278kuonさん sarahさん皆さん こんにちわ


最近ずいぶんと空が高くなってきていますねv-311

余分なものがいっさいない

あるのは青い空と白い雲

1行詩ってすごいです。

私はとても考えつきませんv-398

このような詩を書ける心の持ち方ができたらいいですが・・・・う~~ん無理v-356

sarahさんの頭の中のキャストで

私も想像の世界にすんなり入れそうですv-410

でももう一人その中に出演してもらいたいv-20

頭の中でどんな役がいいか思案するだけで十分満足です。

kuonさん、ご主人さまとkuonさんのお二人のお姿を
文中から感じとれ
いいご夫婦だなあと・・・

  1. 2012.09.11 (火) 13:56
  2. [ edit ]

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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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