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  1. ゆれ・ふら・とーく
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青のさみしさ

今日の夕刊に出ていました。竹久夢二の学生時代の挿絵入りの冊子が発見されたと。

夢二。

わたしがかつて、十年ほどの間、営んだ小さな店の名を「ゆめじ」といいました。

漢字で書いた名前ですけれど。いまは「ゆめじ」と記させていただきます。

母の里から運び入れた階段箪笥(箱箪笥)を店の奥に据え、レジスターは置かないで旧い小箪笥をお金入れに使い、と、自分なりに使えるもので、人さまの仰る「大正浪漫」「れとろ」な店舗つくりができました。

その前から竹久夢二は好きでした。好き、というより、憧れていました。本もたくさん買いました。店の中に、夢二の絵の小額を幾つか置きました。額は、少しくらいガタガタしていても歳月を経たものを、探しては手に入れていました。グラビアや雑誌の切り抜きであっても、額がすてきですと、夢二の憂いを含んだ女性のうりざね顔が映えました。それを欲しいとおっしゃるお客さんが何人もおられましたが、それは売り物でなく。

どうしてもと日参して下さった方に、差し上げました。お金はもらえません。そのお客さんは、商品をたくさん買って下さいました。額を抱いて帰られました。

消しゴムで幾つか、知人にそれらしい判を作ってもらい、無地の袋に一枚ずつ捺して品物をお渡しすると、お客さん方は、とても喜んでくださいました。

いろいろな思い出があります。

夢二の何に惹かれたか。絵はもちろんでしたが。

夢二のうた、一首に、胸をつかまれていたのでした。


   さだめなく鳥やゆくらむ青山の青のさみしさかぎりなければ


私の気持ちのなかの、青が好き、透明なものが好き、という部分に、もう長い間張り付いていて、離れない一首です。うたの師は、わかるけど感傷的に過ぎるなあ、と笑っておられた。

感傷的な、美しい、この一首が、とても好きなのです。


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  1. 2018.05.11 (金) 21:06
  2. URL
  3. まりりん
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KUON様が営んでいらしたお店、雰囲気が伝わってきます。
私、そんなお店や場所が好きです。
行って見たかったなぁ。
  1. 2018.05.12 (土) 17:50
  2. URL
  3. アルジェリマン
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青が好き

私も青が好き。
私は空の青の時々甘い青なのが好きです。

タオルは、大阪の泉州のタオルだったか、
いろいろな色が選べるのをアマゾンで見つけて、
そんな甘い青のをまとめ買いして愛用中です。

身に着けるのは紺色ですが、
あこがれるのは青色なのです。

「青のさみしさ」を読んで、
お店と女主人のKUONさんの描写で、
昔読んだ田辺聖子の小説や短編が浮かびました。

  1. 2018.05.12 (土) 20:44
  2. URL
  3. KUON
  4. [ edit ]

・まりりん さん

行ってみたかったなあ、と思って下さったのですね。私も、おいでいただきたかったなあ。(笑)。

あれこれ事情があって、いきなり始めないといけないようなことで。限りあるお金は仕入れの方に充分あてたかったし、あるもの使ってしまえ、の根性で。無人になっていた田舎の家にあった漆塗りのお盆、銘々膳、旧い陶器の大皿や箸置きまで、店の備品やインテリアに使いました。岐阜の山奥の家までトラックで行って、必死で積み込んで・・当時は私も馬力がありました、子どもたちの学資をなんとか、の時期でした。床の張替えも自力でしました(笑)。もちろん、手伝ってもらいましたが。

吹きガラスのカップ、ぐい飲み、バーナー細工のアクセサリーやトンボ玉。一点ものを充実させて。手ごろな値段の一輪挿しなどは普通に仕入れて買ってもらいやすいように。。商品がそういったもので、とてもたくさんのお客さんに来てもらいました。一年中ほぼ休まずに働きました。お正月に、透明な袋に入れたビー玉などお一人いっこずつ「お年玉」だと差し上げたり。バレンタインデーには、男性限定でチロルチョコ一つずつ差しあげたら、びっくりするくらい喜んで下さったり。吹きガラスで手描きで一つずつ作られる江戸風鈴も、がんばって交渉して分けてもらって。いい音がするのです。

思い出はいっぱいです。最近、鮮明に思い出します。人気店と呼んでいただいてテレビに何度か出たりもしました。旅行雑誌にもあれこれ。お客様もいろいろ、俳優さんや歌手さんの中で、一番すてきだった方は、地井武男さんでした。態度が控えめで、大好きだというフクロウを選ばれるときは真剣で、きちんと支払いをされました。ベネチアガラスのフクロウも置いていたのです。地井さんは、まっすぐできれいな目の方でした。

思いではいっぱいです。娘が赤ん坊の孫を連れて戻って来ることになり、孫をしっかり見てやりたくて閉店を決めました。途中、阪神大震災もあって、扱っていた割れ物中心の展開が難しくなったこともあり。

思い出しました。ほんとにいろいろ、ありました・・・。
今ならあんなことも、と、思ったりもする、四十代から五十代の私の、貴重な思い出です。

・アルジェリマンさん

青が好き。同じです、嬉しいです。

今日は、窓から見える海の上の空に、一筆書きでんんん、と描いたような飛行機雲が。甘い目の青ではなかったけど・・きっと、ご覧になったら、わあ、この空も好き、と言っていただけるような、青い空でした。とか言って、私がつくっている青空ではないですが(笑)。

若い頃は、空なんてどうでもよかったような気がします。人間模様ばかりが大事ごとでした。

紺色をたくさん着られますか。私はもう、黒ばかり着ております。で、青が、どんどん好きになっています。

田辺聖子さんの小説は、私もよく読みました。エッセイも、カモカのおっちゃんとの掛け合いも面白かった・・けど、ロマンティックでけっこうシビアな小説が好きでした。田辺聖子さんの訳の源氏物語もよかった。今でも覚えています、主人公の源氏の君でなく、柏木という若者の、切ない恋の逸話。ちょっときちんと思い出せませんが、心を込めて、その、辛い恋に殉じるしかなかった柏木を表現されていて、私、柏木のために泣いたのでした。

ジョゼと魚と・・・という小説が映画になって、それを見て妻夫木聡、いいなあ、となったりしたり(笑)。

お店のことは、最近、いいことばっかり思い出します。いろんなエピソードや。

泉州タオルは本当に、いいですね。色の選べる、アマゾン、って、初めて知りました。調べてみようと思います。楽しみです。ありがとうございます。
  1. 2018.05.13 (日) 00:27
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  1. 2018.05.13 (日) 15:50
  2. URL
  3. ラム酒
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まぁ、素敵。
なんて、素敵なのでしょう。
そういう感じの雰囲気のお店、好きです。
憧れます。

本当に、センスのある方って、額と、ちょっとした絵や絵葉書を素敵に合わせられるのです。そして、飾る場所の空間使いも。
羨ましいです。

私、インテリアは頭では分かっても、飾ったりのセンスが無いです。

センスは、天性もあるのかなぁ…とつくづく感じる今日この頃です。

  1. 2018.05.13 (日) 19:19
  2. URL
  3. まりりん
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KUON様、詳しいお話をありがとうございました。
本当に素敵なお店ですね。
ずぅーっと居ても飽きないでしょうね。
KUON様のセンスが光る、落ち着いた「れとろ」なお店。
  1. 2018.05.13 (日) 21:16
  2. URL
  3. KUON
  4. [ edit ]

・ラム酒さん

借りたお店が「民芸調旅館」をうたった旅館の、端っこの狭いスペース。天井に太い梁が張り巡らせてあって。その梁も見ごたえありまして。お家賃が高かったので必死でした。

額の一つは今も手元にあります。懐かしいことを書かせていただきました。

いまの住まいのマンション、ほとんど飾りなく、紅い掛け時計だけかけて、白い壁紙に日々、癒されています。何もないのが、今は、とても快いのです。

・まりりん さん

ずぅーっといても飽きないと、毎日来てはその日のできごとをお喋りになり、何も買わずに帰って行かれる方も何人かおられた。お客さんもいろんな方がおられました。(笑)。

店の人間は、客のことをよく見ています。小物を選ぶちょっとした手つきで、お育ちの知れてしまうようなこともあります。人生勉強をさせていただきました。

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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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