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  1. みんなのうた
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弥生、三月、みんなのうた。

弥生、三月、別れの月か。

大きなもののずっぽりと、抜け落ちた身に、早すぎる、パステル色の薄物の、上着はおりて、出で立てば。

すれちがう顔、どの顔も、知らぬ顔ならそれもよし、切ないことなど何ひとつ、知らない顔を、われもまた。

貼り付けて行く、ゆらゆらと、用ある風に歩みます。

薄情そうな三月の、風ふく街を、歩みます。

・・・今月もうた、まとめさせていただきます。


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       KUON の詠める

・海の見ゆる高層の部屋に耳遠き夫(つま)とふたりの暮らし始むる

・幾年をここに暮らしてその後はと思はぬやうに焼く目玉焼き

・老いて病む実感を抱き難ければわがままに家を捨つると見るらし

・大松明駆けゐるころか二月堂に火の粉浴びしも今は思ひ出

・火の色のふとも恋しき煮炊きにも火を使はざる日々に慣れ来て


       温泉郷 の詠める

古代から引き継がれたる修二会かな
鎮護国家をわれ祈るなり

民草が天下太平祈るまに
天皇夫婦ほっつき歩く

西暦で年号語る皇族に
ありがたみなしアホらしくなる

窓辺には啓翁桜ほころびて
優しく告げる春の訪れ

シナからの有害物質にかすむ空
アザレアの赤鮮やかに咲く


       へなちょこ一年生 の詠める

・人も消え猫も街から消え去りて餌の小皿に沈丁花の香


       白萩 の詠める

   〈嵐〉

早咲きの桜うちたる夜の嵐
人の心もものかは荒るる

真夜中におどろおどろと雷鳴し
二人居る心強さを思う

貴(あて)なるも卑しきも皆雨風で
浄めよ嵐この日の本を

   〈花〉

こでまりを飾りてしのぶ祖母の庭
丹精せし木も人手に渡り

花屋にて迷うも楽し今日買うは
黄のチューリップに桃の花なり

園庭にいま満開の山桜
子らを見守り青空に立つ

香(こう)のみで姿は見えず沈丁花
あちらこちらと香(か)を辿りゆく


       パール の詠める

☆出逢いより別れ多くのこの春は
 幸多かれと祈る日々あり

☆「すぐ会える 地球だもの」と言いし子の
 飛行機雲を追う目が潤む

☆遠い夏共に旅したカナダの地
 思い出残し友は風にと

☆春告げる淡き香りの紅(あか)と白
 風の友へと届け飛梅

☆陽(ひ)が落ちて春呼ぶ修二会厳かに
 松明の火に願い込めつつ

★親子とも目に邪が宿る小室とは
 身の程知らず恥も知らずや


       まめはな の詠める

・したたかに酔いて尿を撒き散らししれしれ笑う夫に激怒す


       KUON の詠める

・「愛されてをられませんよ」かく酷き思ひ含みて見ねばならぬとは

・不実なる男の安っぽき手管 われらに見ゆる外から見ゆるを

・思ふまじ言ふまじと黙すしかれども猿芝居の幕を誰も降ろさぬ


       Nちゃん の詠める

貴志駅の
二代目“タマ”に
会いたくて
“たま”にはいいね
春列車旅

めちゃ期待
どんな駅やろ
来てみたが
なーんにもないで
梅の木いっぽん

タマ列車
あっあっあーと
鉄男爺
どですかでんは
ガタゴトの音

ヒーフーと
必死のパッチ
瘋癲と
まるで登攀(≧∇≦)
賀名生梅林

目に映る
小山がすべて
梅開花
香り漂う
白桃紅の

もうあかん
脚が上がらん
やっとこさ
眼下に梅の
東雲の口

大阪城
母校碑の前
カメラ持つ
梅花が繋ぐ
OBとの縁

瘋癲と
我も啓蟄
ブラブラと
花を眺めに
手つなぎ城へ


Nちゃんでした


       ROM の詠める

・保護施設 見送る猫(こ)らを振り切りし 帰路の寒さやこの猫(こ)の重さ

・友と自由 奪いし我れにすり寄りて 皿鳴らしつつ餌を食む猫(こ)

・くるりこにゃあ 50センチ四方の新体操 芸術点は毎回満点

・呼べば来る お返事つきで走り来る 可愛さ余って顔面食べる

・今日もまた 鳴いて一日まといつく うとましくもありエサ皿洗う


   <従姉・ワタシ>

・久方の 従姉の電話長話 しづ心なく猫撫でまわす

・久方の 従姉の電話長話 「絆」は「我慢」でできているなり

・あの笑顔 想えばだいたいチャラになる ズルいスペック ナチュラル菩薩

・こしかたを 振りかえりなば恥ずかしく 自責の夜をじっと耐えぬく

   <雨>

・枝々に ビーズの玉の残れるは 雨が仕掛けた真昼のイルミ

・雨音は 地球の音だねみな違う サバンナの音TOKYOの音


       黒猫アビ の詠める

 ・春待ちて厳しい寒さ乗り越えた
  我が体に少し安堵す

 ・ベランダにムスカリの花咲きだした
  春を感じる暖かな朝

 ・問題児 我が家族には二人いる
  夫と娘は似た者同士
  

       おてもやん の詠める

   <家族旅行の記録>

〇父親の背丈を少し追い越した息子と周る台北の旅

〇線香の匂ひ漂う龍山寺(ロンシャンスゥ)屋根の装飾豪華絢爛

〇足裏の痛い所も一緒だとマッサージ後の父子が笑ふ

〇雨の中パンダに会いに木柵の動物園へ孫を連れ行く

〇小走りの孫をカメラで追いかけて自由廣場を自由に歩く

〇蟹おこわ・からすみ炒飯・小籠包・北京ダックと杏仁豆腐


       アルジェリマン の詠める

耳揺れて黒犬駆けるあぜ道の土筆尽くしで大いに愉快

黒犬が何度も見やるその先は高速道路音が洩れ来る

さっそうと降りる陣地は給水塔 われてっぺんなり正午のカラス

月隠れふと肌寒く落涙す 弥生に別れ積み重なりて


       しだれもも の詠める


梅まつりにぎはふ湯島天神に池の子亀も首のばしをり

雅叙園の雛の衣装は花浅葱(はなあさぎ)おとなのにほひにわれ立ちすくむ

   〈厳島神社〉

海に浮かぶやしろに入らば潮騒の合間合間に祝詞は聞こゆ

浜のさきの清盛神社へ波ぬれた砂踏みてゆく子鹿とともに

   〈広島にて〉

闊歩するブロンドたちにわが胸の破片痛み出す原爆ドーム


       たまき の詠める

それでいい
記憶の海に沈むより
イヤな女で
覚えていてよ

あの人の
今際の際の
エンドロール
わたしの名前
流れるかしら

寒きふゆ
涙にくれた
一月を
労わるように
春の雨ふる


       かりそめ の詠める

*三月のなかば夏日の予報あり国狂ひなば四季も乱るる

*七年の風雪仮設住宅に片や倉庫に四億円を

*自らを綺麗すぎると言ふ后美形に遠き顔を晒しつ

*腹這うて主(あるじ)見上げる小犬の眼黒曜石の濡れたるに似て

*ただひとり春の波涛に向かひ合ふその孕みたる力畏れつ

*咲きそめて薄くれなゐの靄めきぬ信濃生まれの杏の林

*咲き満ちてなほ慎ましき土佐水木住みふりし地の径(こみち)ふちどる

*欄干に二羽の椋鳥向き合へり一羽いきなり囀りはじむ


       こぶ の詠める

*保健室出て恐々と入場す
皆と歌うは『仰げば尊し』


       わすれんぼ の詠める

いと寒き冬駆け足で去りゆきて春の訪れ早きに戸惑う

満を持し蓄えしもの放出す 春の息吹の力強さよ

わずかなる花の盛りを無残にも食い散らかせりひよどりめらが


年老いてやり残ししこと山積す 逃げてもつけを払う日は来る

年老いて忘れ忘れの毎日に心休まる時とてもなし


たくましく雑草のごと育てとの 願い空しく箱入りの我子

柵開けて真っ先に行くおもちゃ箱 遊びをせんと生まれし君は


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

四月もまた。みんなのうた、ご一緒に。

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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

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