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返事の中までKUONです。

  1. 実録
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神戸であそんだ

土曜日は神戸へ行きました。

ちんどん屋さんを見ました。何十年ぶりでしょう。のぼり旗(?)の男性を先頭に、チャンチャカ鳴らす男性が続き、パッと見は大正時代の雰囲気の女性はアコーディオンを抱えていました。鈴木清純の映画に出てくるみたいな赤い青い柄の着物姿。出すと噂のパチンコ店が、月に一度ああして、と、教えてくれたのは三宮駅から乗ったタクシーの運転手さん。

「今日は女のひと手風琴だけど、いつもはクラリネットの男性がいてね、その人は何でも吹く、すごく上手いよ」

と教えてくれました。「手風琴」という言葉もまた、よくて。私は、タクシーに乗ると、色んなことを聞きます。いろんなことを知っている運転手さんが多いです。

待ち合わせた女性と、きゃああ、逢いたかったぁと手を取りあい(ハグはしないの、わたし似合いませんから)「ボストン美術館の至宝展」を見に行きました。

神戸市立博物館は、建物もすてき。スタッフの方々の応対もとてもすてき。三階から見て回った「古今東西の至宝が勢揃い!」とパンフレットにある通り、作品群は素晴らしかったです。数はそんなに多くないけど、濃縮された内容と思いました。

古代エジプト美術から観はじめて。私、いつも、ああ、何千年の昔も鳥は鳥の形だなあ、と感心するのです。

ゴッホの「郵便配達人」があり、歌麿の描いた美人さんがおり、モネの睡蓮、ルノアールの明るい華やかな女性・・でなく夏の花、ミレーも小品ながらありました。私は、日本人の好むというミレーさんに対して、さほどの愛着を感じていなかったのですが、地味にも見える絵から、とても温かいものが感じられ、やはり本物見ないとわからないのね、こういうことも。と、当たり前のことに感心し。

セザンヌもありました。セザンヌは、私が初めて知った仏蘭西の画家の名前。子どもの頃に、早く父親を亡くした私の家へ、岐阜の辺鄙な村から名古屋まで、昔の大きな自転車で、何時間もかかって荷台に米や野菜や(おそらくいくばくかのお金も)運んでくれていた伯父が、口にしていた名前。

「セザンヌはいいぞ、セザンヌはいい」

望んだ京都で学びながら、当時の「あか」の風に吹かれ巻かれ、当時の警察に引っ張られ、きっと若いから意地も張ったのでしょう、ひどい目に遭わされて体を傷め、田舎へ戻って、薬屋だった家業も継がず定まった職にも就かず、人任せだった田んぼや畑、山なんかを次々に売り払って。ただ一人授かった娘を生後すぐに亡くし、生涯京言葉の抜けなかった妻とは冷たい関係のまま、酒に溺れ、時に絵筆をとり、名古屋で苦労する妹(母)に気を配ってくれ、母親を見送ったあと、10日も経ないで突然、後を追って行った伯父。・・長くなりましたが、セザンヌと聞くと伯父を思う、そのセザンヌの静物画を、目にして、武骨だった明治の男の酒に焼けた顔を、やはり、思い出していたのでした。

伯父は、あんなに憧れたセザンヌの絵を、こうして目にする機会は無かったのだものなあ。などと。

クールベとか。列記は叶いませんが、本当に、あ、あ、これも知ってる、という画家たちの絵が並んでいました。アンディ・ウォーホールの「ジャッキー」なんてのもあったな。

ジャッキーも、つづまりは今は、はじめの夫だったJ・F・ケネディの隣に眠っているのですね。

行けてよかった、と、誘ってくれた友達に感謝しています。脚の具合が気になって、なかなかこういう場所へも出しぶっていたのが、頑張って回れたのは、ゆっくり付いてくれた彼女のおかげ。遠いところから会いに来てくれた友人と、正倉院展を拝観することも出来なかったのですけれど。場内のあちこちに椅子が備えられ、手をついて回れるしつらえだったことも、ありがたかったのです。

俳人として超名高い与謝蕪村の屏風絵にも驚きました。一緒にしげしげ眺めつつ友達が、

「目も鼻も、ちょんちょんと筆で描いてあるだけなのに、表情がこんなに出ている。やっぱり天才は違うのね」

と言うのに、うんうんとうなずいて。有名なものらしい(英一蝶・作)釈迦の「涅槃図」の大きな一枚。

菩薩や人間たちも悲痛な表情ですが、いろんな動物も書き加えられていた、兎や犬や、猪の親子、ひっくり返って嘆いている象、そして二人で

「かたつむりまで描いてあるわ」

と感心。

私が、最も印象深かったのは、中国の「陳容」作の「九龍図巻」。南宋、1244年、とあります。長大な巻物に、怒り、吼え、伸び上がり、さまざまな龍の姿が、ずら~~っと、描かれている。長い長い巻紙です。どれくらいの歳月を要してできたものか、墨の一滴でも不用意にこぼれていたら、など想い、凄まじい集中力持続力気力、まあなんとすごい画業であるか。

など。素人の私は、感嘆して眺めさせてもらったのでした。

文字も素晴らしい。端正な文字、伸びやかで格調高く(ヘボな評しか出来ません・恥)、あ、わたし、やっぱり漢字が好きだわ、このような文字を見ると快い、嬉しいわ、など、ひそかにわくわくしておりました。

900年くらい以前の、紙に描かれたものです。保存の苦労も如何に、とか、思わず熱が入って語り合って、お声がちょっと、とか、ご注意を受けてしまいました。

ごめんなさいでした、エレガントな館員さん。

雄大、壮大な龍は、そして、目の表情が繊細で。横目の龍に「かわいい」とも、感じてしまったのでした。


博物館を出て、もちろんお腹ペコペコ。ほん近くの人気のレストラン。神戸・居留地で最も古い異人館を、そのまま使用しているというT・Tでランチしました。友達が取ってくれようとしたけれど、予約は出来なかった、でも、いかにも昔の異人館、の趣の室内で、べちゃくちゃ喋って待ったから、待つのもたのしい、でした。この友達にはいつも、ランチの場を(ほかのことも)丸投げにして。私は乗っかるだけ、これもすまないことである。ごめんね、Yさん。

去年の北野ホテルは、憧れの店だったのが、大量の団体さんたちが多くなっているようで、せっかくだったのに、今一つで。・・私も、北野ホテルにケチつけるとはエラくなったもんですな(ここもゴメン、かな)。その前のお店は、とても素敵でしたのに、名前が出て来ませぬ。

お料理も素敵だったし、窓から、広い広い緑の芝生の庭が見えて、欅だったか、大きく育った樹が、風に吹かれてさやさやと鳴っていた、ええと、名前が思い出せません…方向音痴なのできっと、自分では行けないわ・・予約も大変みたいだし・・・あああ、食いしん坊具合は似ております。

今回のTOOTH TOOTHUmaison15th、お料理美味しく、とてもきちんとした接客を躾けられているのがわかる若い方々のありようも気持ちよく、楽しんでお昼ご飯タイムを過ごしました。

久しぶりにムール貝を食べました。味のしっかりと濃い肉がメインで、サラダは柚のなんとかがかんとかされているものだとかで美しかった、ケーキは今どき珍しい、たっぷりと甘い(けど感じのいい甘さ)・・だめだ、グルメ記事は書けません、しゅん。

と。快調に、楽しかったことを書いて来て。

この友達との会話の、主なものも記しておきます。

ごはん食べながら、あと、にしむら珈琲店でコーヒー飲みながらの、膨大な量の会話の中の、ほんの一部です。

主語が抜けてる会話もあった。喋り中にはあっても、ここへ書きうつすときに、主語、抜けるかな~(笑)(笑)(笑)。

・「もうね、そうね、あれはいくらなんでもね、ものも言えないわね、あれと結婚させるって、結婚したいって。残念過ぎるってことよね」

・「今年も、なんか変わった子、出して来てたわね、あんなに痩せたり太ったり、よく出して来れるわね、あれできるって、人間のすることじゃないわ」

・「にんげんのすることじゃなくても、こうしつのすることではあるよね、つ~ま~り~」

・「あの、こうしつのあのひとたちは、人間でない、という方程式だわさ、これ」

とかなんとか、話が沸いた気がします。こればかりでなく、どちらが言うたか、どちらが聞いたか、そんなのわかんなくなっちゃいましたが、確か、

「〇ねばいいのにぃ」

なるセリフは、一度ならぬものであったような。なかなか口に出しにくいコトバではありますが、いいんです、もうホントに、そうでしかないので。


何回もタクシーつかまえて移動して、家族の話も出て、つい私はコボしたりすることもあって。

聞いてもらってすっきりしたのは本当です。いささか憂鬱気分に取りつかれておりました、ここ何週間。

この友達、一家の真の大黒柱。妻で母で祖母で親戚のどなたかによりかかられてしゃんと支えるオトコマエで、経営者で、町の名士のお家の奥さんで、だから気遣いも大変そう。気の抜けにくい日常のなかのヒト。言わなくてもわかってくれる、昔から。

キレイゴトで済まないいろんなこと、も。

で。駅まで送ってくれて、改札口に入るまで見送ってくれて、バイバイと手を振って。

ランチの済んだ頃には準備中だったルミナリエ、もう点灯していた時間で、孫ちゃんに見せてあげるために写真に撮って、帰られたようです。

年に一度、お会いできるかなあ、のお友達。今回も急に約束ができて、急に会った次第でした。

また会えるように、脚も胃袋も滑舌も鍛えておかなければ。

ありがとう、お友達。また急に、会うの決められるといいね。


三宮駅前に、サンタクロース姿の、アメリカンバイクや日本製ナナハン駆使する、三十人ほどの(たぶん)おっちゃんライダーさんたちのグループが。無事に楽しく走って、お家に無事に還れるといいですね、と、ほほえましく目で見送ったわたしたちでした。


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  1. 2017.12.12 (火) 07:55
  2. URL
  3. Nちゃん
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おはようございます

ボストン、凄いラインナップですね
行きた〜い!
土日、ルミナリエあるし
神戸えらい人でしょ(>_<)
色々回りはりましたね

歌詠まれる方の絵って
味ありますよね
反対に絵や器作る方も
歌詠みはる人が多い

造形をする人にはそれぞれの
「詩」を織り込みながら
造られてると作品見てて感じます

また、それを見てる自分が
想像して歌を考えるのも楽しいです

空想の生き物、龍
日本画にも多くてカッコいいですね
お寺や神社の天井に描かれてるの
ずっと見てたいです

なんや、漢字ことば遊びみたいに
なりました(^_^;)

しかし、大阪ねオッチャン、オバチャン
どこぞで北斎や、応挙や雪舟やと
ニュースなんかで見ると
大行列並んで見に行ってるんですが
わぁ凄いな〜とか言いながら
賑々しく、分かってるんかいな?
と、その、姿見て笑いそうになります
(*≧∀≦*)

Nちゃんでした
  1. 2017.12.12 (火) 09:36
  2. URL
  3. KUON
  4. [ edit ]

・Nちゃん さん

素晴らしい催しでしたよ。フランス絵画が多くて見ごたえあったのですが、わたし、水墨画にたいへん魅かれて。九龍の図巻は、もう圧巻。若いモンに教えてあげてるトッショリの龍がいたり(笑)、飛翔してたり。うろこの一枚一枚、生きてるの。目がまた生きてて、いろっぽかったり可愛かったり、にらみころされてしまいそうだったり。龍はすごかった。

アメリカの絵もあったけど、私、昔から映画もアメリカよりヨオロッパのもんが好きだったし(ちょいエラソー)。

涅槃図の中の、無心な猪の親子の後ろ姿に胸がきゅんとなり。確か、蛾のようなものも・・西洋画のエスさまも立派だが、森羅万象に神も仏も、っていう東洋人の気持ちに、心が寄ると、再認識しました。

神戸はおされな街で、素敵なレストランもたくさんある。んで、思うのは、博物館もそうでしたが、このたびのレストランも、入り口石段のまま、今どきの手すりも設置せず、そのまんまの異人館のまま。トイレも二階のまま、ウォシュレットにもしていない。でもクラシカルな素敵な化粧室。

確かに私にもいささかは不便でしたが、自分に無理なら、無理やり行こうと思わないだろうと。今のママがいい人のために、今のママでいいちゃうかな。と、感じました。掃除も行き届いてスタッフの躾も良く、料理はきっちり作ってある。それで充分や、と満足しました。

Nちゃんがブログにアップしてた「びみょー」なランチと、そんなに変わらないお値段で、まったく「びみょー」でなかったよ。(笑)。人気に寄りかかったような「名店」も、確かにあるけどさ。

ボストンは2月4日までやってるみたい。1月には面白いモンも見に行けるし。足、鍛えなあきませんね(口だけやって?)そうやねん、あかんな。冬は、体中の膨大な量の脂肪が、冷えて固まって、動きを鈍らせるの。脂肪のせいなんだよ~~~ん。
  1. 2017.12.12 (火) 21:38
  2. URL
  3. ひらりんこ
  4. [ edit ]

わたしは結婚するまで神戸に住んでいたので、とてもうれしく懐かしく読ませていただきました。
市立博物館にも何度も行きました。
でも震災以降街もお店もずいぶん変わったので、今行くと知らない所が多くてちょっと寂しかったりします。

tooth、、、というお店、すてきですね。自分も行きたくてたまらなくなりました。
KUONさんが名前を思い出せないお店のこともすごく気になります。

神戸の街を一緒に歩いているような気分にさせてくださって、ありがとうございました。
  1. 2017.12.13 (水) 18:14
  2. URL
  3. sarah
  4. [ edit ]

楽しい一日でしたね~!

この一日で、お二方とも10年分のエネルギーをチャージできたのでは~?

私も、お師匠にもお友達にもお会いしたいです~!
  1. 2017.12.13 (水) 22:17
  2. URL
  3. KUON
  4. [ edit ]

寒い寒い夜です、かたわらに、シナモン入りのホットミルクを置いて。シナモンは、私の病気(トー〇〇ー病)にとてもいいらしく。血糖値が下がるといいます。あ、脱線しました。持病と言うなら、フランスのあの詩人のように「血友病」とかで、薔薇の棘に刺されて死んだ、なんてのが浪漫ちっくではありますね。


・ひらりんこ さん

結婚なさるまでは神戸にお住まいだったのですか。私は何十年も奈良に住んでいますが、神戸は好きで、震災前の神戸もあちこち歩き回ったものです。まだとことこ歩けたのです。

震災の朝は、テレビの映し出す惨状に、なんとも言えない状態でいました。ずっとそれは続きました。

何年の後に訪れて、歩きながら泣くしか無かった。こんな隠れ家が欲しい、など憧れた、白いペンキを塗り重ねたフランス窓の家も、黄色い小さな薔薇の咲き溢れていた茶房も、何もかも探せなくなっていて。失われたのは、まず、沢山の命や生活であったのでしたが・・・。

神戸で仕事をしている長女が、年末に結婚して神戸の住人になります。あちこち飛び回っていてなかなか会えません、せいぜい中華街でごはん食べるくらい。少しだけ書いて宣伝させてもらうと、去年撮っていた映画(ダンスの場面で出させせてもらってるとか)来年2月に全国公開されます。福山 雅治さん主演。近くなればまたここでも触れるかも、ですが。ちょっとPRしました(笑)。「レッド・クリフ」「男たちの挽歌」のジョン・ウー監督の作です。

私が称えたT.T トゥース トゥースは、市立博物館の斜め前です。他にも店舗があるらしいけど。神戸にはいっぱい素敵な店があり、かなりあちこち行ってますが、すてきなお店でした。忘れてしまった名前の店は、北野坂の途中だったと思う・・何も記録を残していないのが残念です。方向おんちで、何度行っても全く地理も何もわからないままです。いつも新鮮。ちがうか・・(笑)。

昔は、よく、靴を買いました。靴とパンを。あ、豚まんも。今は私の住む町から三宮まで一本で行けるようになりました。孫娘も絵を見たいと言うので、冬休みに一緒に行ったら、また書くと思います。長くなりました、お風邪にご注意くださいね。


・sarah さん

「お友達」を独り占めしてごめんなさ~(笑)い。

全く変わらないチャーミングなあの方でした。よく喋っておられました(笑)。ヨン氏が、若い奥方に引き連れられるように歩いている写真を見せてもらいました。栄枯盛衰、という言葉を思いました。

そちらもお寒いでしょうね。お互い、できるだけ元気でいて、そして・・と、思っています。


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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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