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海の響きを




          「耳」


    わたしの耳は 貝の殻

       海の響きを懐かしむ


                 ジャン・コクトー       堀口大学 訳





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  1. 2017.08.25 (金) 04:14
  2. URL
  3. たまき
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わたしの耳は貝の殻
海の響きをなつかしむ

この文章を読んで思い出したことがあります。
私がまだ18歳くらいの頃、とある日曜日に一人でバスを乗り継いで海を見に行ったのです。
18歳といえば番茶も出花、箸が転げてもおかしい年齢なのに、みんながおしゃれしてデートを楽しんでた頃に一人で海です。

海に着いて、昼ごはん(サンドイッチか何かだったと思います)を終え、暫くぼんやりときれいな海と空を楽しんでいたら、突然です、突然涙が滂沱のごとく流れ出して自分でも何が起こったのかわからず、涙を流し続けたのですが、海と空が交わる西の方を見ていたら

あそこに還帰るんだ。
あそこが最終目的地なんだ。
というのが、なんだか分かってような気がして。

あの突然の滂沱の涙は、後にも先にもあれ一度きりでした。

「懐かしい」「あそこから来て、あそこに還帰るんだ」という実感。

「おおいなるもの」に抱きしめられたような懐かしさでした。

華の青春時代にたった一人で海に来てさみしかったのかもしれませんね。あれは何だったのだろう?と今でもよく思い出します。
  1. 2017.08.25 (金) 09:58
  2. URL
  3. ワ・タ・シ熟女N
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おはようございます

ふと思い出しました


あなたの白い腕だけが
わたしのすべての地平線でした
「地平線」マックス・ジャコブ


元々の短い詩歌の中の表現も
美しいんですが
明治〜昭和の 翻訳家も『言葉』と『心』を持ち合わせた匠が多いなぁ〜
上手いなぁと思います。

演劇でも古典、近代の翻訳家
回りくどくて眠たくなってくるのもありますが(笑)
みんな詩人ですね。

自分は短歌の57577言葉は
理解できるまで よっぽど考えて
頭使いまくらないといけないので(アホ・笑)
ヨーロッパ叙情詩の訳詞読むのが好きでした。




  1. 2017.08.25 (金) 11:53
  2. URL
  3. KUON
  4. [ edit ]

・たまき さん

>暫くぼんやりときれいな海と空を楽しんでいたら、
>突然です、突然涙が滂沱のごとく流れ出して
>自分でも何が起こったのかわからず、
>涙を流し続けたのですが、
>海と空が交わる西の方を見ていたら

>あそこに還帰るんだ。
>あそこが最終目的地なんだ。

・・・簡単に「わかる、わかる」とか言われたら、わかるわけないでしょ、とかハンバツしてしまう気持ちも「わかる」んですが。

ここ、わかってしまって(ごめんなさい)私もウルッと来てしまいました。18歳のたまきさん。いじらしい。

そして、子どものころ、毎夏長期に預けられていた田舎の祖母の家で、夜、たくさんの人たちが集まって来て、数珠繰りをしながら「ご詠歌」をうたっていた・・何十人が、ぎゅうぎゅうに座り込んで、低い声で唱えていた御詠歌。白熱灯の薄暗い下で。何ともいえない雰囲気で忘れ難い記憶。

そして祖母が、憧れるみたいに話していた話。西方浄土やふだらくこうかい。

「補陀落渡海はわが国の独特な思想といえるが、そこには日本人の神観念が表れている。死後魂は海上のかなたにある先祖の住む常世国(とこよのくに)に帰るという考えが、その根底に流れているのである。それが観音信仰と結び付いたものといえよう。[野村純一]」

恐いような、そんなことあったのかなあ、と不思議なような。海の彼方へひたすら向かって行って、と言うその話を、思い出しました。

華の青春、といいますが。私は、若い頃、青春の時期、生きにくくて。今の方が、ふてぶてしくなれていて、楽な気がします(笑)。

詩はいいですね、時の舟に乗せてくれる。


・ ワ・タ・シ熟女Nさん

皆さまの初盆、終わりましたね。

私は盆太り。連日の猛暑の中でウソみたいな話だがホントウで。

書いて下さった詩、忘れ難くてでも思い出せなくていた詩。

ありがとうございます、わかることが出来ました。今日の記事にしたよ~(笑)。



  1. 2017.08.25 (金) 16:32
  2. URL
  3. ひなぎく
  4. [ edit ]

山のあなた

KUONさん、こんにちは。
この詩大好きです。
私が初めて知ったのは、ペン習字のお手本だったと思います。
この詩を思い浮かべると潮の音が聞こえるような気がします。

便乗して、もう一つ好きな詩を書かせてください。



山のあなた   <カール・ブッセ(上田敏訳)>

山のあなたの 空遠く
「幸」住むと 人のいふ

噫われひとと 尋めゆきて
涙さしぐみ かへりきぬ

山のあなたに なほ遠く
「幸」住むと 人のいふ

子供の頃に家に飾ってあったお土産物のプレート(お猿さんのお人形つきの)に最初の二行のみの詩が書いてありました。
その頃は「あなた=かなた」とは気づいて無かったと思うのですが、誰かに教えてもらったのでしょう。青い山の向こうに素晴らしい魔法の国のような物がある、あったらいいのにという空想をこの二行の詩を見るたびに思っていたような気がします。

大人になって、最後まで知って、なかなか深いなぁと思います。
山の向こう、遠いところに理想郷なんて無かった。現実に押し潰されて帰ってきたら、やっぱりみんな「遠いところに幸せがある」なんて言ってるんですよね。
本当は今ここに幸せはあるのに。
  1. 2017.08.25 (金) 19:33
  2. URL
  3. KUON
  4. [ edit ]

・ひなぎく さん


カール・ブッセ。私は20世紀の真ん中の生まれですが、その頃の「女の子」たちみんな、一度は愛唱した詩ではないでしょうか。

私も「あなた」が「かなた」とは知らず。この詩も上田敏氏の訳ですね。言葉が、本当に美しい。

山の向こうに幸せがある、という考え方はいろいろあるようで。

アルカディアというのも、そう。

西方浄土を目指した、補陀落渡海。子育てのころヒットした、ゴダイゴの「ガンダーラ」も、根っこはそうでしたか。

生きて行くのが精いっぱいで、理想郷を夢見ることで、今日の一日を生きて行く身に「喝」を入れたのか。

>本当は今ここに幸せはあるのに。

同感です。青い鳥は、自分の家にいる。でも、切ない詩だと思います。

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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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