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主役は、秋の、風



君待つと 我が恋をれば わが屋戸の 簾動かし 秋の風吹く

   きみまつと わがこひをれば わがやどの すだれうごかし あきのかぜふく

        額田王(ぬかたのおほきみ)    巻4の448



額田王は、天智・天武の二人の天皇に愛された=乞われた、あの時代の=壬申の乱前後の、大スターです。万葉集にも多くのうたが取り上げられています。

とても興深い逸話がたくさんある女性です、うたも素晴らしいものがたくさん。徐々に、書けるように書いて行けたら、と思います。

今日は、この額田王が天武天皇との間にもうけた娘が、十市皇女(といちのひめみこ)であること。

兄と弟である天智と天武の間で、この額田王と天智の二人の娘が(もう数人いたとも)、失礼な言い方になるかしれませんが、プロ野球のフェア・トレードみたいに交換された。という説をもあるのですが、本当のことは判りようも無い。ともかく、その天智の娘の一人が、これもスーパースターの持統天皇(じとうてんのう)であること。くらいは、書いておかなくてはならない気がしました。

ので、書きました。

十市皇女は、わたしが万葉集に触れかかった初めのころに登場した、恋しさゆえに皇女の身で朝川を渡ってしまった但馬皇女や、その皇女を喪って悲傷慟哭した穂積皇子(ほづみのみこ)あたりにからまって来る皇女さんなのです。

もっと言えば、私がもっとも魅かれている大津皇子(おおつのみこ)、その姉の大伯皇女(おおくのひめみこ)の名も、このあたりにある。

ややこしくてアタマこんぐらがるのは確かですが、一つひとつの話は魅力があります。みなさま嘘つきでなくて。今に伝わる名前の一つ一つは、さまざまな思いを胸に生きた人々の存在を、思わせてくれるのです。

名は、記号でないと感じます。


きょう、取り上げた一首は、額田王が大津宮で天智天皇を思って詠んだ歌です。

天皇を待っている、思って恋焦がれて待っている。

少しの音にもはっとして、もしや、と、からだじゅうが反応します。

もしや君か、と、耳も心臓も緊張マックスになる。

でも、しかし実は、簾がカサリと身じろぎしただけ。

風が、すうっとと吹き過ぎて行っただけ。

ただ待つ人はいない、来ない。

風が無言で吹き過ぎて、あとは静寂あるのみ、待って待って日を送るわたしが、ここにいるのみ。

何度も実感します。女性は、待つことしかできなかったのだと。

・・・とはいえ、この額田王という女性は、


熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな 

   にきたつに ふなのりせむと つきまてば しほもかなひぬ いまはこぎいでな

                                  1-8 額田王
 

場所は現在の愛媛県松山市あたり。詳しい説明はまた後に、ぜひ書きたいと思いますが、

>660年、唐は新羅と連合し百済を攻撃。
>滅亡した百済の遺臣たちは日本に救いを求めてきました。
>そこで斉明女帝は決断を下されます。
>「百済は古くからのわが国の同盟国です。
> 見捨てるわけにはいきません。すぐさま船団を組織し、
> 朝鮮へ向かいましょう」

↑ のようなことだったと云われています。

大和朝廷が大移動したような男女合わせて27000名にも及ぶ戦隊の中心にいて、堂々と朗々と、このような大きなうたを詠んでいる女性でもあります。

すだれうごかし秋風の吹く、は、名歌と評の定まったうたではありますが、額田王は、これくらいの「恋心」は、なんぼでも生み出せるお方だったのだろうな。と。腹黒KUONは、ジト目で考えたりも、するのであります。

うた自体が超・完成型なので、このようなことは、口に出すがヤボ、というものではあります。もちろん。


主役は秋の風。そして、思って待って、今日も会えないひと・・・は、この際、脇役(わー、ごめんなさい)。。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメントをありがとうございます。

明日、ゆっくり、返事を書かせていただきます。





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コメント

こんにちは

昨日、今日とほんの少し暑さがましで
夕方は涼しい風が吹いてます。

世間が休日で電力消費が落ちてるからでしょうかね・・・
と言っても焼き肉の町は煙モウモウです(笑)

額田王と言えば井上靖原作の大昔ドラマで見た
岩下志麻がものすごく印象に残ってて
私には印象ぴったりです。
“アク”のある女優さん、他に浮かばないですわぁ
小川真由美くらいか(私の頭が古い・笑)


この時代のドラマってあんまり無いですよね
演出が難しいのかな?
モックンの聖徳太子くらいしか思い出せません。

飛鳥の古墳や出土物見に行くと
百済とは切り離せない文化を知るんですが
石像をみてると、東南アジア系の顔で
百済だけでなく、この辺りからも 
ようけの移民が来てるんだなぁ と思います。


ハナ故お盆はヒマな
Nちゃんでした。






・N花ちゃん さん


お盆は今も「嫁業」全開のくおんです。

むかしを思えば自由比率が大きく、文句言わんとこ~、ではあります。

あの時代のドラマは難しそう。資料は少なそうだし、その割には熱烈なファンがいて、衣装や言葉遣いやあらゆることにクレームつきそうで。俳優さんも、天皇や皇子や皇女を、やりこなせる人がいるかどうか。

岩下志麻さんのような迫力のある、視線ひとつで人をビビりあがらせること可能な女優さんも、なんだかなあ。男は皆無でしょう。とか、自分目線で勝手なことを。

汚い役はできても反対方面は難しい気がしますな。

なっちゃん。

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としどしに わがかなしみは ふかくして 

いよよはなやぐ いのちなりけり


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やはり赤い口紅が好き。


ものすごく唐突ですが、私、口紅(だけ)はシャネルよ。(笑)。

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