今日も元気でいましょうね^^

返事の中までKUONです。

邯鄲の夢

本年の宮中歌会始儀、粛々と淡々と進んで短く終わりました。

三笠宮殿下の昨年の逝去のことで、三笠宮家、高円宮家、お出ましにならず。披講=うたをよみあげる=をつとめる「講師」の中心は、今年も近衛忠大氏。亡き三笠宮さまのお孫さんで、皇太子のいとこさん。

独特の長い息の発声は深くよく響いて、招待されておられたケネディ元大使なども、身じろぎもせず聞き入っておられたようです。

皇室からは

天皇、皇后、東宮、秋篠宮親王、同妃殿下、眞子内親王、常陸宮親王妃。以上の七名でいらっしゃいました。

雅子妃殿下は「体調を考慮して」出て来ず。そのままの言葉で紹介されておられました。この場におられる方のほとんどが、まさこの「そういったこと」をご存じだろうな、と、ふと感じたのでした。

会場は皇居正殿松の間。

選ばれた10人の方々のおうたから始まり、選者の永田和宏氏のうたに続きました。


   野に折りて挿されし花よ吾亦紅(われもかう)あの頃われの待たれてありき

後で感想を述べたいですが、うたとして一番ぐっと来た・・・「あの頃われの待たれてありき」・・・感傷的と言えば言える一首でしょうけれど。

皇族代表として、秋篠宮さまのおうたが披講されました。


   山腹の野に放たれて野鶏らは新たな暮らしを求め飛びゆく

      さんぷくの のにはなたれて やけいらは あらたなくらしを もとめとびゆく


次が皇太子妃まさこさま と、不在のまま、


   那須の野を親子三人で歩みつつ吾子に教ふる秋の花の名

       なすののを おやこみたりで あゆみつつ あこにをしふる あきのはなのな



そして皇太子。ひどい眼振のさまがテレビ画像にとらえられておられました。目が、ずっと、揺れているのでした。


   岩かげにしたたり落つる山の水大河となりて野を流れゆく

     いわかげに したたりおつる やまのみず たいがとなりて のをながれゆく



続いて皇后のうた


   土筆摘み野蒜を引きてさながらに野にあるごとくここに住み来し

     つくしつみ のびるをひきて さながらに のにあるごとく ここにすみこし



最後が天皇のおうた。御製。

邯鄲の鳴く音聞かむと那須の野に集ひし夜をなつかしみ思ふ

     かんたんの なくねきかむと なすののに つどひしよるを なつかしみおもふ


上記、内廷のうたについて、以下のごとく注釈がつけられていました。


天皇陛下 「邯鄲の鳴く音聞かむと那須の野に集ひし夜をなつかしみ思ふ」

 1999年9月に栃木県那須町にある那須御用邸で過ごした際、夜間に研究者の説明を受けながら、コオロギの仲間の虫の鳴き声を聞いたことをと詠まれた。

皇后さま「土筆摘み野蒜を引きてさながらに野にあるごとくここに住み来し」

 都心でありながら、春にツクシを摘むなど季節ごとの自然を楽しめる皇居・御所での生活を振り返った。

皇太子「岩かげに したたり落つる 山の水 大河となりて 野を流れゆく」

登山中に見た水滴が多摩川の源流となって流れゆく先に思いをはせられた。

雅子さま=散策中、愛子さまに草花の名前を教えた喜びを「那須の野を 親子三人(みたり)で 歩みつつ 吾子(あこ)に教(をし)ふる 秋の花の名」と詠まれている。

・・・・・一般的な解釈では、↑ のようになるのでしょう。

歌会始の場で披講されず、テレビでも紹介されなかった皇族がたのおうたは、

紀子妃殿下


   霧の立つ野辺山のあさ高原の野菜畑に人ら勤しむ

     きりのたつ のべやまのあさ こうげんの やさいばたけに ひとらいそしむ


眞子さま

   野間馬の小さき姿愛らしく蜜柑箱びし歴史を思ふ

     のまうまの ちいさきすがた あいらしく みかんはこびし れきしをおもふ

佳子さま


   春の野にしろつめ草を摘みながら友と作りし花の冠

     はるののに しろつめくさを つみながら ともとつくりし はなのかんむり


常陸宮妃華子さま

   野を越えて山道のぼり見はるかす那須野ケ原に霞たなびく

     のをこえて やまみちのぼり みはるかす なすのがはらに かすみたなびく





御製を耳にしながら、ハッとしていました。

邯鄲とは、バッタに似た虫のことだと、テレビでも言っていましたが。

邯鄲、と聞けば一炊の夢を思う。
ほんの刹那の夢。はかない夢。

大辞林 第三版の解説によれば。

>かんたんのゆめ【邯鄲の夢】

〔出世を望んで邯鄲に来た青年盧生ろせいは、栄華が思いのままになるという枕を道士から借りて仮寝をし、栄枯盛衰の五〇年の人生を夢に見たが、覚めれば注文した黄粱こうりようの粥かゆがまだ炊き上がらぬ束の間の事であったという沈既済「枕中記」の故事より〕


栄枯盛衰のはかないことのたとえ。邯鄲の枕。邯鄲夢の枕。盧生の夢。黄粱一炊の夢。黄粱の夢。一炊の夢。

邯鄲。お能の曲名でもあります。ハッとしたのでしたが、考え過ぎでしょうか。

この関連で考えて行けば、都心にいて最高の利便をたのしみ、庭に出ては土筆を摘み、リンドウの花の紫に魅かれ、の暮らしを、続けて来たわ~と堂々と詠まれる奥方の、その栄華も。豪奢も。

邯鄲の夢、なのかも、などと、無理やりこじつける気はございませんとも。

ふと、思い及びます。

この期に及んで、あの状態の娘さんと共に暮らしながら(そうなのですよね?)、野の花の名を教えて、などと無神経な呑気な鈍感なうたを出して平然、の、皇太子の妻の明日も。

邯鄲の夢。なるほど、と、ある種の得心を得ました。






KUON部屋の(どすこい、ではありませぬ!)おたのしみ歌会もどき、思った以上のおうたを戴き、ありがたく思い、皇居の儀のしっぽにくっつけるのもどうかな~、もったいないな~と思いまして。

あさって日曜日のお昼までの受付にさせていただきます。

初めから申し上げているように、下さったそのままを、紹介させていただく。数は無制限(笑)、感想は無し。

ホンモノの歌会の儀が、来年はともかく、ぐらぐらとおかしな平成の終焉説がでている今。再来年のそれが、あるや否や。

とにかく、今年はあさって午前中まで、皆さまのおうた、お寄せ下さいませ。


あそびをせんとやうまれけむ  

                                                  「梁塵秘抄」






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コメント

おはようございます

kuonさん、初めまして。
いつも読ませていただいてます。
昨年、新年歌会始のお題を、知って初めて歌を書いてみました。恥ずかしながら、、、。

比の国の 野土となれし
伯父達の 御霊帰りて
桜と咲けり

天皇陛下が、フィリピンに慰霊にいきました。
母方の兄が、レイテで玉砕され、骨壷には石一つ入って国に帰ってきたそうです。
こんな機会の場を与えて頂きありがとうございます。
さて、もう一首

自愛様 皿の上の つくし(皇太子)摘み
野に放してね 貴方と共に

お粗末様でした

KUONさま、こんばんは。
私も、猫の耳様と同じく、戦死した親族を思い恥ずかしながら一首詠ませていただきます。

「許せし」と詠まれし歌人(うたびと)に
野に眠る英霊方は
何を思わむ

戦犯扱いの歌に我慢できずにおりました。
KUONさまが、このような場所を作ってくださったことを感謝申し上げます。

お返事遅くなりました。


・猫の耳さん

・蔵王の樹氷さん


いただいたお気持ちは、味あわせていただきました。

また来月、
お寄せください。

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・・・・・


三好達治『乳母車』

母よ――
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふるなり
はてしなき並樹のかげを
そうそうと風のふくなり


・・・・・・・・・・・・・・・


やはり赤い口紅が好き。


ものすごく唐突ですが、私、口紅(だけ)はシャネルよ。(笑)。

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