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ひとり居りたし



戦争をテーマの短歌を、読みなおしていました。


  飯盒の氷りし飯(いひ)に箸さして言葉なく坐(ざ)す川のほとりに


  おほかたは言(こと)}挙ぐるなくひたぶるに戦ひ死にき幾人(いくたり)の友


  装甲車に肉薄し来(きた)る敵兵の叫びの中に若き声あり


  帯剣の手入(ていれ)をなしつ血の曇(くもり)落ちねど告ぐべきことにもあらず

                    宮 柊二


  教壇に説きし感傷は今にして夢のごとしも北支那の山に


  照準つけしままの姿勢に息絶えし少年もありき敵陣の中に


  突撃直前の吾が意識にふと浮びしはアネモネの紅きひとひらなりき


  数々の思ひも今はなし敵弾に身を伏せて行く麦畑ひろし

                    渡辺 直己   (三十一歳・天津にて戦死)


  うつそみの骨身(ほねみ)を打ちて雨寒しこの世にし遭ふ最後の雨か


  磧(かはら)より夜をまぎれ来(こ)し敵兵の三人(みたり)迄も迎へて刺せり


  ひきよせて寄り添ふごとく刺ししかば声も立てなくくずをれて伏す


  胸元に銃剣受けし捕虜二人青深峪(あをふかだに)に姿を呑まる


  限りなき悲しみといふも戦(たたかひ)に起き伏し経れば次第にうすし


  目の下につらなる部落の幾つかが我に就き敵に就き遂に謀りき


                    宮 柊二



  あなたは勝つものとおもってゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ


  子らみたり召されて征きしたたかひを敗れよとしも祈るべかりしか


  かくなれば勝つよりほかはなかりしを戦ひつつ知りぬ勝ちがたきことを

                    土岐 善麿


  たたかひを終りたる身を遊ばせて石群(いわむらが)れる谷川を越ゆ


  廿五名の運命をききし日の夕べ暫く静かにひとり居りたし

          (昭和二十三年十一月十二日「A級戦犯」二十五名に対し判決下る)


                    宮 柊二



  山なかの荒れし河床(かしゃう)を徒歩(かち)渉るこころあやしも戦(いくさ)思ひて


  咽乾き銃抱へつつ駈けてゐき六十一歳の夢の中にて


  中国に兵たりし日の五ヶ年をしみじみと思ふ戦争は悪だ


  足病みて歩けずなりぬ山西を馳駆(ちく)せし兵もかくは衰ふ

                    宮 柊二 (昭和六十一年死去。七十四歳)










  
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  1. 2016.06.13 (月) 23:23
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痛々しい うた ですね。

心の中で手を合わせました。
  1. 2016.06.14 (火) 01:10
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いつも、いろいろ教えて下さってありがとうございます。
  1. 2016.06.14 (火) 09:52
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  3. 黒猫アビ
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No title

  KUON様

おはようございます。
ブログの更新ありがとうございます。

兵隊さんの短歌をよみながら
幼きころに大声で歌ってた歌を思いだいました。
歌の一部分だけなのですが・・・。

お国のために戦った 
兵隊さんよ ありがとう

当時は、よく意味も知らずに近所の子供たち
と歌っておりました。

今は、靖国神社参拝するたびに涙がでます。
  1. 2016.06.14 (火) 16:36
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  3. KUON
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No title

・華さん



こんにちは。

宮柊二氏は、命保って帰られて、終生、いくさうたを読みつづけられました。

氏の没後一年半。

夫人の英子(ひでこ)氏は、山西省を訪れ、若き兵であった亡夫を偲んで詠みました。

  亡き柊二あらはれ出でよ兵なりし

  君がいくたび越えし漉沱河(こだがは)

これも「相聞」です、大きな意味で、男女が想い合ううた。生死など問わないです、想いの世界。


日本の言葉は奥深いと思います。
  1. 2016.06.14 (火) 17:01
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  3. KUON
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No title

・黒猫アビさん


取り急ぎ。

靖国神社お参拝、今までのようにお願いします。

どうぞ。

どうぞ。


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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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