今日も元気でいましょうね^^

返事の中までKUONです。

朧夜の瞼腫らして 人を恋ふ






    願はくは花のもとにて春死なむその如月の望月の頃

     ねがはくは はなのもとにて はるしなむ そのきさらぎの もちづきのころ



西行が没したのは1190年2月16日。

冒頭の有名な一首は、言われるような辞世の一首ではないようです。

桜の魅力にあらがいきれないこころの、さいごのときに託す憧れめいたうたではあります。

西行の桜のうたは他にもあります。

     仏には桜の花を奉れわが後の世をひととぶらはば

       ほとけには さくらのはなを たてまつれ わがのちのよを ひととぶらはば


桜の好きだったかつての北面の武士、西行。

現在の桜でない、ソメイヨシノでない、昔ながらの山桜が、西行の愛した桜。

日本人の心の中には、花の季節が来るたびに、あと何度、花を。桜を、仰ぐことができるだろうか。

との思いが、自然に去来すると、聞きます。

わたしもそうです。


西行が詠んだ、如月の、望月のころ、とは、3月、弥生の20日ごろからつごもりにかけての時期にあたるとか。

その弥生の終わり、数日前に、一人の日本人男性の訃を聞きました。

野武士、でしたでしょうか。彼は。

二度ほど、互いのブログにコメントをやり取りしただけ。

わがまま親父さんが、わたしが知った初めのころにはその方を「先生」と呼んでおられた方、同じ団塊者。

どんな方だったか詳しくは知りません、何も知らないも同然、ただ、下さったコメントが、鮮烈で、記憶に残っています。

ご自分のブログでKUONのブログを「毒まみれ」と誉めて下さり、あろうことか「プアゾン」みたいに、とたとえておられた。

プアゾンは、長く嗅覚を喪ったままの私の記憶の中に、蠱惑の香りとして唯一、残っている香水。自分が今も所持している、ただ一種類の香水。

その一事によって、覚えている方でした。

急逝されたとのこと。

息子さんは、未だ、父親を必要とする年齢であるとか。

何人もの息子さん方を、強く愛しておられたとか。詳しくは知りません。


わたしもおそらく、いわば野武士、家の柄だの学校はどこを出ただの、では、生きておりません。

野武士のたしなみとして、間合いを取って人とは接するを通して来た、おそらくこれからも。


心残りもおありでしょうに、など、踏み入ったことは申しますまい。

人の、多く憧れる、まさしく花のころに散って行かれたこと。それを、いささか羨しみつつお悼み申し上げる、と書けば無礼に過ぎましょうか。


故人・・・すでに故人となられたお方の、最後の記事のコメント欄にあって読んだ、妹さんだというお方の哀切。



>・フィリピンから訃報桜の咲き満ちて

>・朧夜の瞼腫らして人を恋ふ

>日本に帰ると言っていた兄、桜を見せてあげたかった。

>兄を支えて下さった皆様に心から感謝です。



妹さん、K・・・さん。私とおなじお年頃でしょうか。

人生の多くの時期を異国に暮らし、異国に散った、何か国語を自由に操って、とお聞きする、VRAIさん。

その兄上の急逝を悼んでのお身内のコメントの中の、五七五の定型。


   朧夜の瞼腫らして人を恋ふ

        をぼろよの まぶたはらして ひとをこふ



何とも言えない思いが、胸に溢れてうまく表現できません。

月並みですが、安らかに眠られますことを、と。

さようなら、と。それだけ、申し上げます。

花の画像は、探した中でいちばん華やかなものを選んでみました。




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コメント

桜と毒薬

掲載のお写真は、吉野のお山でしょうか?
数十年前、家人(母)が、お役所を定年退職した時期に、格安という但し書きのあるツアーをプレゼントし、訪れたことがありました。
麓から開花し、山頂に向かって桜が咲き進むので、1か月以上お花見が楽しめる土地だと聞いて、叶うことなら、1か月くらいご当地に滞在し、ずっと桜ばかり見ていたいという願望があります。

プワゾン(毒)という香水が、発表されたのは、20年くらい前でしょうか。或いはもっと前かも。
濃厚な香りで、身につけていると酔っ払っちまいそう・・・。
初めて匂いを嗅いだときそう思いました。
色気のない冷たい香りのシャネル19番が一番好きだった頃でした。
ディオールは、大人っぽすぎる感じだし。

先日、コメントのお返事をいただいたとき、記憶の向こうで、私を、既知だと言ってくださいました。
そうなんです。
私も、KUONさんを知っている…そんな感覚だったのだけれど、どう言っていいのかわかりませんでした。

私は、上手く書けないのですが、『毒』のある文章だと数名のひとから言われたことがありました。

もしかしたら、同じ『毒?』の匂いがあるのかもしれません(KUONさんのように洗練された美しい毒には、まだまだ、至っておりません)。

桜の頃に行ったお方のご冥福をお祈りいたします。
(長文になってしまい、申し訳ございません)

母を訊ねて30㎝

お早うございます
虎は死して皮を残し
人は亡くなりて名を残すそうです

友は亡くなりて
笑顔を遺しました
友の顔は
棺の中の蝋燭人形ではなく
微笑んだ遺影がのこります
その顔は
酒を酌み交わした頃のままでした

おこころをおだやかに願います・。

No title

・詠み人知らず さん。

そうです、吉野山の桜です。

吉野の鮎は、さくらの花びらを食べるのですよ。

でも、桜といえば坂口安吾の

「桜の樹の下には死体が埋まっている」の描写の凄さにも、再度、身震いしたい、春ですね。

私感ですが、毒持つ人間は、あくまでわがままに、己だけの「毒」を秘匿したいもののように思います。


・はしびろこう・ウナさん。

ウナさんは、私が落ち込んでいると思って、慰めに来て下さったのか。お優しいですね、ありがとうございます。

そんな、なよやかでも、触れたら壊れそうな、のタイプでも無いので、大丈夫ですよ。生まれ変わったら、ギュっとしたら折れそうなタイプに、とワタシ、熱望するものですが。(笑)。

私もそれなりに幾つもの友との別れを経験して来ました。辛くてたまらなかったのは、高校時代の同級生の秋の日の葬儀で。

バリバリの(無理を重ねた)現職での急死。弔問の人は多かったです。出棺の折に、友の家の塀に添って並んだ家族親族のなか、小学校3年生の、さんばんめの一人娘だったお嬢ちゃんが、

晴れ渡った青い空の下、陽光は溢れるように注ぎ、赤とんぼがつんつんと羽をきらめかせ、深くうつむく二人のお兄ちゃんにはさまれたA子ちゃんは、風にさらわれそうな頼りなげな、か細いからだで、いっしょうけんめい、立ち続けようとしていました。

A子ちゃんの母親を、初めに捨てた父親、そのうちに捨てた母親が、間を空けて並んで(呼ばれていたのですね)いっちょまえに親のような顔を伏せて、でも、孫娘の、張り裂けるような悲しみに気づかない様子だった。A子ちゃんは、母親はもう帰って来ないと知りつつ、懸命に、立ち続けていました。泣いても、もうお母さんは受け止めてくれないのです。

父はともかく。

子を持った女は、子を手から離してはいけない。わたしたち思い知っていたが、多分彼女も、ものすごく解っていたが、進行の早い癌でした。

八つの女の子の、耐えに耐えていた姿が忘れられません。幸せでない育ち方をして、子のために無茶な頑張りようをして、斃れて逝ってしまった友が、守りたかった三人の子。皆、いい子に育って、A子ちゃんはお母さんにもなっています。

とりとめのない話をしてしまいました。

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・・・・・


三好達治『乳母車』

母よ――
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふるなり
はてしなき並樹のかげを
そうそうと風のふくなり


・・・・・・・・・・・・・・・


やはり赤い口紅が好き。


ものすごく唐突ですが、私、口紅(だけ)はシャネルよ。(笑)。

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