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詩集「詩の礫」より。

和合亮一さんという詩人を、知りませんでした。

知ってみると、中原中也賞や晩翠賞を受けておられる方という。

それはとても凄いことなのでしょうが、私がこの方を知ったのは、3月16日からツイッターとして始められている「詩の礫(つぶて)」によってです。

福島市のアパートの部屋で一人きり、数日前に原子力発電所が白い煙をあげたから、隣近所に人の気配は無かった、と。

<私は父や母や、職場があるから、福島に残ることを決意した。そして絶望していた。「これで、福島も日本も終わりだ」>。

<気力が失われた時、詩を書く欲望だけが浮かんだ。(中略)書くということにだけ、没頭したい。死と滅亡が傍らにある時を、言葉に残したい>。

そうして、出し続けられた言葉たちを、ご紹介させていただきます。

少しずつ、今年いっぱい、ご紹介したい。

3月16日

@放射能が降っています。静かな夜です。

@屋外から帰ったら、髪と手と顔を洗いなさいと教えられました。私たちには、それを洗う水など無いのです。

@私が暮らした南相馬市に物資が届いていないそうです。南相馬市に入りたくないという理由だそうです。南相馬市を救って下さい。

@放射線はただちに健康に異常が出る量では無いそうです。「ただちに」を裏返せば「やがては」になるのでしょうか。家族の健康が心配です。

@私が避暑地として気に入って、時折過ごしていた南三陸海岸に、一昨日、1000人の遺体が流れ着きました。

@今、これを書いている時に、また地鳴りがしました。揺れました。息を殺して、中腰になって、揺れを睨みつけてやりました。命のかけひきをしています。放射能の雨の中で、たった一人です。

@ところで腹が立つ。ものすごく、腹が立つ。

@行方不明者は「行方不明届け」が届けられて行方不明者になる。届けられず、行方不明者になれない行方不明者は行方不明者でないのか。

@避難所で二十代の若い青年が、画面を睨みつけて、泣き出しながら言いました。「南相馬市を見捨てないで下さい」。あなたの故郷はどんな表情をしていますか。。私たちの故郷は、あまりにも歪んだ泣き顔です。

@ガソリンはもう底を尽きた。水がなくなるか、食料がなくなるか、心がなくなるか。アパートは、俺しかいない。

@これまでと同じように暮らせることだけが、私たちが求める幸福の真理であると思う。

@台所。メチャクチャになった皿を片付けていた。一つずつそれを箱に入れながら、情けなくなった。自分も、大所も、世界も。

3月17日。

@震度はどのようにして計る。その度数とはいかなる基準であるか。ある日は丘の上に立った、小さな旗を眺めていた。あの風にも旗にも、そして揺れるままの現在にも、度数はあるか。地よ。しーっ、余震だ。

@どれだけ私たちを痛めつければ、気が済むのか。雪はみぞれはここで、こんなにも厳しすぎる。

@女川。美しい港町だった。さんまが美味しかった。高村光太郎の碑があった。海で魚を捕ることは、人が原始に帰る興奮を味わうことだ、そんなことが美しく簡潔に書かれていた。

@本日は、打つスピードに活字が追いついてきてくれない。誰かが、泣きじゃくっている。

@眠り方が分からないのです、どうすればいいのですか。それが分からないのが、分からないって? 寝ぼけてんのかよ、てめえ。

@人が旅立つ場所が無い、行き交う場所が無い、帰る場所が無い。時計は2時46分で止まったままです。

3月18日。

@南相馬市の夏が好きだった。真夏に交わした約束は、いつまでも終わらないと思っていた。原町の野馬の誇らしさを知っていますか?。

@南相馬市の野原が好きだった。走っても走ってもたどりつかない、世界の深遠。満月とススキが、原町の秋だった。

@あなたはどこにいますか。あなたの心は風に吹かれていますか。あなたの心は壊れていませんか。あなたの心は行き場を失ってはいませんか。

@私は見えない影に打ち震えています。。それは真昼の陰? 心の陰? 退避命令? 言葉の陰?。

命を賭けるということ。私たちの故郷に、命を賭けるということ。あなたの命も私の命も、決して奪われるためにあるのではないということ。


@お願いです。南相馬を救って下さい。浜通りの美しさを戻してください。空気の清清しさを。私たちの心の中には、大海原の涙しかない。

@海のきらめきを、風の吐息を、草いきれと、星の瞬きを、花の強さを、石ころの歴史を、雲の切れ間を、そのような故郷を、故郷を信じる。


・・・今は、これだけにさせていただきます。

徳間書店発行の、和合亮一さんの著書「詩の礫」から、随意に引用させていただきました。
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  1. 2011.12.26 (月) 22:27
  2. URL
  3. tsuru
  4. [ edit ]

KUONさん、さっそくファイティン君&サランドン
さん、そしてタムドクの美しく麗しい両面フォトまで お届けくださり、ありがとうございました。
また、せっせと 安心水補充に精をだしていきます。

この原発事故の話の中で、職場の仲間(福島ゆかりの人物3割ほど有り)より、原町は、今は南相馬にあたる地域だと聞かされました。 
35年以上も昔、「華麗なるギャツビー」のR・レッドフォードが好きだった学生寮の隣の同級生も
原町が故郷の人でした。

むごい2011年が暮れようとしています。
祈りの気持ちと 感謝の気持ちと 頑張らねばの気持ちで 気を引き締めて これからも参りましょう。 
いつも、KUONさんより教えていただく事が沢山有りました。 これからも どうぞ宜しく・・・ありがとうございます。        
  1. 2011.12.26 (月) 22:32
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  1. 2011.12.28 (水) 00:02
  2. URL
  3. えま
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KUONさん こんばんわ

福島市内におられたこの方の

現実

心の現実・・・

とても私達の想像を絶するものだったでしょう。

この詩が石のつぶてとなり私の心に深くつきささるようです。

遠くに居る者にわからない現実

怖くても知りたかった事ですよね。

書いて下さってありがとうございます。

残して下さって。

kuonさん

教えて頂けた事本当にありがとうございます。
  1. 2011.12.28 (水) 19:06
  2. URL
  3. 山イチゴ
  4. [ edit ]

お姉さん、こんばんは
詩は繰り返し読んでます。寺山修司さんも。
作品何編も読むのは久々。
高校卒業以前から避けてた。
文学自ら遠ざけた。
音楽は無いと心が折れてしまいそうで聴き続けてる。
小さい頃、映画と音楽がある環境、文学と音楽が大好きでした。
小・中学生、平日時間追われる毎日、土曜午後・日曜日休み。寮の物置部屋が図書室。
暖房も扇風機も無いコンクリート部屋に寄付か購入か?それなり増える本をこもって読みふけった。そこはレコードプレーヤーと小さい白黒テレビもあり、先輩や教師にレコードを借りよく聞きました〜ひとりで
中鍵を掛けられるし…用事の時は呼びに来てと友達に伝えて
純文学や詩が好き。
映画の原作・歌詩から入ったと思います。
当時コピー機無く、大学ノートへ気に入った部分書き写し、自分でも詩のようなものを書き始めた。絵も鉛筆で書いてた。
国語や美術評価され学校で賞をもらい応募しないかと何度か言われたけど全て拒否。理由は枕詞に「障害者」と付くもの評価されても意味無いと反発。
普通高校に入り、国語課題で書いたのがクラスで読まれた…45人の前で。
職員室へ行き先生に「障害者だからですか?」と問うた。きっぱり否定「アナタ文学か福祉向いてる。大学進学し深めなさい。今まで書いたもの見せて!私から担任や他の先生へ協力お願いしとくわ」と。
嬉しかったよ。受験勉強した。3年になり、大学授業料は奨学金、入学金も推薦免除あり。生活費仕送り確保(バイト不能!)すれば予定。
まず母に拒否(余裕あるが同居の彼無職)父親に何度連絡しても妻出て切る
担任も両親に連絡
時間切れ日、担任が祖母に断念告げた。祖母は店の冷たいコンクリートに土下座し「すまない!」繰り返し泣いた。私たまらず「婆ちゃん悪くない土下座止めて!」叫んだ。大切な大学ノート全て棄てた。
30年以上過ぎ、わだかまりが溶けていく。不思議な出会いで…

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KUONの久遠

Author:KUONの久遠
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四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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