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さびしきかもめ

なんだか突然、寺山修司の短歌が恋しくなりました。

よろしければお付き合いください。

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ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駈けて帰らむ

パン焦げるまでのみじかきわが夢は夏美と夜のヨットを馳らす

肩よせて朝の地平に湧きあがる小鳥見ており納屋の戸口より

向日葵(ひまわり)は枯れつつ花を捧げおり父の墓標はわれより低し

父の遺産のなかに数えむ夕焼はさむざむとどの畦よりも見ゆ

胸冷えてくもる冬沼のぞきおり何に渇きてここまで来しや

胸の上這わしむ蟹のざらざらに目をつむりおり愛に渇けば

胸にひらく海の花火を見てかえりひとりの鍵を音立てて挿す

冬海に横向きにあるオートバイ母よりちかきひとふいに欲し

ひとよりもおくれて笑うわれの母 一本の樅の木に日があたる

かくれんぼうの鬼解かれざるまま老いて誰を探しに来し夏祭り

一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを

厨にてきみの指の血吸いやれば小麦は青し風に馳せつつ

馬鈴薯を煮つつ息子に語りおよぶ欲望よりもやさしく燃えて

許されて一日海を想うことも不貞ならむや食卓の前

悲しみは一つの果実てのひらの上に熟れつつ手渡しもせず

きみのためついに愛の詩遺さざりし小さなまるい消しゴムちぢむ

わが切りし二十の爪がしんしんとピースの缶に冷えてゆくらし

針箱に針老ゆるなりもはやわれと母との仲を縫い閉ぢもせず

たった一人の長距離ランナー過ぎしのみ雨の土曜日何事もなし

父親になれざりしかな遠沖を泳ぐ老犬しばらく見つむ

マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや


・・・石川啄木のうたを一首

汽車の窓
はるかに北にふるさとの山見えくれば
襟を正すも



・・・最後に、寺山修司を愛する福島泰樹の一首

あおぞらにトレンチコート羽ばたけよ寺山修司さびしきかもめ






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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

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