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貴婦人の日記より Ⅱ




昭和26年。

金婚式までも連れ添われたご夫君を、梨本宮伊都子さまは、一夜の病で失われました。

それが元旦のこと。四月にはマッカーサー元帥が帰国した。朝鮮戦争を巡って、大統領トルーマンと対立した由。

「ラヂオで放送があったが、礼砲19発を打ち、各軍隊はならんで見送り、日本国民も多数見送り、とてもとてもさかんなわかれをして出発した。あとはリッヂウエーが総司令官となった」

9月5日、サンフランシスコ講和会議開催。9日、調印式、日米安全保障条約、日本は米軍の駐留を認め、再軍備を推進することとなった。

伊都子さまもこの頃は親米的になられたようです。

トルーマンが対日講和の重要性を強調し、ホテルでのレセプションに赴き

「全く進んだ此世の中の有難さを感じた」

「一日中、この調印の事でもちきり、(略)しっかり覚悟をして、立派な独立した日本をきづき上無くてはならぬと思ふ。国民も、ふらふらしてはをられぬ」
(9月9日)

10月22日には、菊栄親睦会。かつての皇族親睦会があったが、生活はもとにはもどらず、自家用車もなくタクシーを利用する状態で。

「(略)番町の宮内庁分室に行く。皆様御揃にて」

アマチュアクラブの手品や腹話術、食事は前菜が北京料理、他はジンギスカンとにぎり寿司というふので、思ふだけ[食べられ、久しぶり満腹して9時過かへる、と。

昭和26年は、国内では戦前への回帰傾向が強まり「逆コース」と呼ばれました、という。

日本髪・日の丸・君が代・軍艦マーチなどが復活、と。

「今年は伊勢神宮・明治神宮・その他神社の参拝者は、何十万といふはなし。ラヂオで聞、実に力づよい。それだけm人民の心もちも、昔にかへり、やはり日本の神様に御祈りするといふ心がかへってきてくれて、何ともうれしい事」。

伊都子さまはご機嫌うるわしく、興業倶楽部へでかけて久々ににぎにぎしき席につくなり、と記しておられる。

昭和27年3月には、一年前に逝去されたご夫君の追放解除を夕刊でお知りになった。

血のメーデー事件。

「メーデーの後、二重橋前でさわぎあり。やはり共産党のしわざらしい」

共産党はお嫌いのようです。

5月2日、全国戦没者慰霊祭。日記の上欄に

「平和克服に付、全国戦没者慰霊祭を新宿御苑で催され、両陛下も御のぞみ遊ばさる」

「とにかく、此平和になったはじめに、此の戦死者の慰霊祭を催されたのは、ほんとにほんとにどんなにか皆がよろこんだ事だろう。今まで、たえにたえてゐた事も、これでうかばれると思って」


よろこんだ、と書かれている。

3日。

「憲法記念と平和祝典を二重橋前にて行はれ」

11月10日

「今日は皇太子殿下成年式と立太子式、宮中にて」

「朝は行列にて御参内。市中とてもにぎにぎしく。

11月11日

「立太子礼御祝宴、旧皇族菊栄親睦会員、其他、」


昔のような献立をいただく、と記されている。

昭和29年。

恩給を受け取られるようになった。

皇族妃としてでなく、陸軍軍人(守正氏は元・陸軍大将)の未亡人として。名誉職のような軍人であったご夫君は、その咎で戦犯氏名されたが、伊都子さまはそれによって、恩給にあずかられた。

前年には、東京裁判で有罪判決を受けたA級戦犯も復権させ、遺族にひそかに恩給が支払われるようになっていた。

犯罪人は恩給権を消滅するという規定があるが、東京裁判は国際法による裁きで国内法でない、という解釈である。

ということのようなのでした。

「大将の半額なれども、いただく事になり、通知が来たので(略)直に神前に供へ、御かげ様で、私は有難くいただきましたと報告した」(昭和29年2月)。

・・・・・この数年後、ミッチーブームに大騒ぎとなります。





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四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

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