FC2ブログ

KUONのブログへようこそ。

返事の中までKUONです。

  1. 未分類
  2. tb: 0
  3. cm: 0
  4. [ edit ]

昨日の、被災された地へ物資をお送りするお話。

あまり一度ですと・・と、いろいろ調べて思案して、またひょっこりとご紹介させてもらうことにしました。

ずっとずっと、息の長い「支援」が必要と思われますのでね。

最近こころにかかっていること、書かせてもらいます。

タイランドの洪水の話です。

・・・・・・・・・・・・・

夫が一時、一年の半分以上をタイに滞在して、今はもう跡形もなく壊れた、タイと日本の合弁企業の立ち上げから技術指導、安定まで、力を注いでいたのです。

私も、何度も、タイへ行きました。

いま、洪水で行き場を失った人々が、内部にテントを張ったりごろ寝したりしているというドンムアン空港は懐かしい空港。
冬に日本を発って、着くまでに夏支度になるのでしたが、ドンムアン国際空港は、周囲はしっかり「夏」なのに、寒そうに着慣れないセーターなど着ているインド人、普通にうろうろしながら、にっこり笑って置き引きのチャンスを狙っている子どもなど、さまざまな人たちの熱気に溢れていました。

空港からバンコク市内まで、窓の外の風景は、行くたびに人工の匂いを帯びて行っていました。建物が、どんどん建てられていました。

日本人ばかりが集まる街、タニヤでは、夜遅くまで、交際費で飲食する人が溢れていました。
自分の国では味わえない特権のようなものを享受する、ネクタイを締めた男性たちが、小柄な若い女性達を、今日食べる夜食を選ぶように、指さして、引き寄せて、歩いていました。

パッポンという一角があって、通りの両側ぎっしりと、夕方に露店を出し、商売してまた、大急ぎで片付けるたくましい人たちが、原色の服を積み上げ、ありとあらゆるブランド品のタイ・バージョンを、買え、買え、買え買え買え、と押し付けてくる。LVのバッグもCのマークのスーツも、何でもありました。

いわゆるブランド品に、さして興味も無く(資金も無く)、知識も無かった私は、あの当時、タイのコピー商品を眺めることで、いささかの知識を得た気がします。ロゴも何も、あっけらかんとそのままで、つまり、品質だけに問題があって・・・。

おもしろがって、スカーフの数枚くらいは買いましたが、コピーは要らないので、勉強だけさせてもらいました。
待てよ。ええかっこしたらあきませんね、金色、金、金の時計も買ったな、モス・グリーン、何か動物が吼えてる模様ののでっかいボストン・バッグも買ったな・・・はは。

その街、パッポンは、アメリカの兵士が遊びに来る街と聞かされ(その意味が、もうひとつ解っていない自分でしした)、頭の高さくらいまで延々と原色がぶちまけられている隙間から、GOGOバーの内部が見えることがありました。

ほとんど何も身に着けていない,若い、とても若い、女の子と呼ぶのがふさわしいような娘さんたちが、ひしめくような大勢の男たちの視線の中、踊っていました。踊るように動いていました。

厳しいピンはねがあるようでしたが、そうして踊って、誰かに呼ばれて、一緒に店を出てどこかへ行ってお金をもらうのは、私が感じた「かわいそう」なことではなく、そんな同情もどきは失礼なことでしかない、彼女たちの、厳然たる「仕事」だったわけです。

人間の数に比べて、仕事の量が少ない。

朝の、昼間のオフィス街には、スーツにハイヒールでびしっと身を固めた女性も、服の仕立ての、見るからにすごく良さそうなビジネスマン風も、もちろんいたし、裕福な人たちは、大きな車に乗っていたし、でも、そんな風景の中にぼろぼろの子どもを抱いた物乞いの女性もいました、物乞い商売のために、借りて来られている子もいたようです。

誰かが道端で寝ている、と思ったら、亡くなっている人だったこともある。

書いていると際限ないですが、私がタイで好きだったことの一つはは、チャオプラヤという川を、モーターむき出し、ばりばりとものすごい音で水を蹴散らして走る舟に乗ることでした。

バリバリバリバリ、と、走って行く。

街の中を流れる川です。

途中にいわゆるスラムがあります。

舟の上で生活している人々の、目の前を、ばりばり、舟で行くのです。

ゆらゆら揺れている家の中は丸見えで、どの家の壁にも、国王の写真が飾られていました。

幼い女の子が、舟の方を見ていることもありました。

私は、何か、どこか、舟でばりばりしている自分が後ろめたかった。

いつも、タイにいると、後ろめたい気持ちがありました。

そのこと自体、いやらしい感情なのか・・・。いつも、そんな風に、考えてしまうのでした。

女の子が私に、手を振ってくれたことがあります。

私も手を振りました。

女の子は、顔中を笑い口にして、ぱあ~と笑って、手を振ってくれました。

ゆらゆら揺れる女の子の家の中は、ほの暗く、壁の王様の勲章をいっぱいつけた正装の白が鮮やかで、父親らしい人の足の裏が二つ、川に向かって並んでいました。

暑いから。昼寝していたのでしょう。

舟がスピードをゆるめると、小さなボートを漕ぎながら、転覆しそうに果物を積み上げたおばさんが寄って来ます。

買え、買え、です。

夫はいつも、買いました。お金のことがさっぱりわからない人で、欠点といえばそこ(だけではない、もちろん、でも、そこだけ、にしておきましょう)なのですが、タイの紙幣をバサっと出して、買う。

マンゴスチンやスターフルーツ、買います。

食べきれないくらい買って、置いて来たりする。なぜかと問えば、タイにはタイのやり方、と、判じ物みたいに言う。

あなたは遊びに来ているのだから、ここで、お金を落とせばいいのです、と言う。

バナナの皮を剥いて食べながら言い、皮を、川の中へポイっとする。

ここでは皆、そうするんだ、と言う。

皮を川に捨てない、というやりかたは、あなたがいつも暮らしている国のやり方だ、と、言われました。

遊びに来たのだから、落とせるだけお金を落とせ。自分の夫が口にする言葉と思えなかった・・・。

チャオプラヤ川は、泥色の川でした。

そこへ飛び込んで、潜って、子どもたちが遊んでいました。

それで病気になって死ぬ子はそれまでだ。

この国で生きて行くというのは、日本人が考える方向で言えば、大変なことなんだ。

命が地球より重い、なんてタワゴトは、この国では通用しないよ。

当時、住み着くようにタイにいた夫は、そんなことを、言うのでした。

合弁の相手の華僑は、二重などと上品なものでない、四重帳簿の術を駆使して、夫を悩ませていた頃だったと思い出します。

つまり「だまされた」のですが、こちらが甘かった、ということでもありました。



タイの人はよく、マイペンライ、といいます。

気にしない。ああだ~いじょうぶ、気にしない。そういう感じでしょうか。

考えがうまくまとまりませんが、タイは、私にとって魅力的な国でした。

本来のタイ人は押しのけられていて、中国系の、華僑と呼ばれる人々に、政治も経済も何もかも牛じられている国。

マイペンライ、と笑って、たくさん子を生んで、たくさん捨てて、たくさん拾って育てる国。

この度の洪水は、あの、川を行く外国人に、太陽のような笑顔をくれた女の子・・・今は娘さん、かな、頭に三角巾をかぶってどこか工場で働いていて欲しいけど・・の、家も、何も、飲み込んでしまったでしょうか。

タイと日本の交流は長いし、国王一家は親日で、日本の天災の時には、ねんごろなお見舞いや義捐金を出して下さっていると聞きます。

いまは、国内が大変な時期ではあるし、私に何が言えるわけでも無いですが、かの国の首相が、もうどうすることも出来ない、みたいなことを言っておられると知ると、心配です。

あまり持っていない人たちが、根こそぎ失うことになってるのだろうなと、思います。

悲しいことがたくさんあるものです。


・・・・・・・・・

えまさん。
私が、少しでもお役に立てていると言ってくださって、ありがとうございます。

すこ~し、意味なく落ち込み気味でしたので、とても嬉しいコメントでした。

わたしこそ、えまさんと弟さんご家族の、あったかい絆に触れさせていただいて、感謝です。

ありがとう。すごくありがとう。

ソナチネさん。
高橋竹山お好きだとは。すばらしいですよね~。

・・・いま、泣けてしまうので、とおっしゃるのに申し訳ないですが、探したので、貼らしてもらいますね。

初めて耳にした時、全身に「来た」のですよ。

基本的に、南より北にひかれます。











スポンサーサイト






 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback


ブログカウンター

プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・