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返事の中までKUONです。

  1. ことばのたのしみ
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ⅩⅢ  ことの顚末 ザツコ 三

                                    シナリオ風に。       

今日の一首 「 陽の射して溶けはじめたる雪だるま眉のハの字の愛(かな)しくもある 」


   登場人物  女 1  蓬髪・ジャージ姿

         女 2  スーツ姿・色は青

場 1 広いリビングルーム  円卓、サイドに小卓 木製のがっしりした椅子が2脚 下手にドア

・女2 が数誌の新聞を小卓の上に揃えて置いている。ドアの向こうから大きな足音が近づいてくる。

・女1 がドアを開けて入って来る。

1「へえ、このドアは押して入るのね。おかしな設計の家だわ、広いのに人はいないし、聞きたいことも聞けない。あ」

・1、2に気づいて

「あのう」

・2 聞こえないのか小卓の上で数種類の新聞紙の本誌とチラシを分ける作業を続けている

1「あのう、ちょっと、電話をかけたいんだけど」

・2 反応しないまま。部屋を出て行こうとする

1「ちょっと! 聴こえないの?!」

・2 立ち止まって1に視線を向け、右手を腰に当てて「なによ」の態度

1「きゃん ゆー すぴーく のぽにーず?」

2「・・・・・」

1「ゆー のう? あいあむ のぽんず ロイヤル・プリンセス ゆーのう?」

・2 冷笑を浮かべてドアを上手から出て すぐにデパートの紙袋を持って戻り、円卓の上に置く

2「Please」

1「あ、あったのねワタシの。無くなったと思ってたわ」

・紙袋を取って、テープで留めてある口の部分をばりばり破る

1「なんでこんなものに入れてあるのよ、ワタシのバッグが。スギヤの、一番チープな紙袋じゃないの。特選売り場のならもっとしっかりした袋なのに」

・1 中から自分のものらしい大きなバッグを取りだし中を覗き込み、ばっさばっさと中身を取り出す。2が、さりげなく極彩色の新聞チラシを卓に滑らせる。1は気づかず、掴み出したケータイ、タオルハンカチ、煙草の箱、ライターなど、積み上げる。チラシは役に立ってない様子。菓子らしい丸い容器が転がって落ちる。1は目薬を見つけ出して、仁王立ちになってさす。直立している2。ほぼ無表情

1「灰皿、灰皿・・・コーラの缶も無いわね・・・タバコ切れでイライラする、それに、なによこの女。のっぽん人みたいな顔してるのに」

2「のっぽん人ですよ私は」

1「あ、びっくりした。どうして返事をしないの、しなかったの、さっき」

2「したくないですから」

1「は?」

2「私はあなたが大嫌い。私の友人たちも皆、全員、例外なく、一人残らず、完璧に、あなたのことが大嫌い」

・1 驚いて突っ立っている。

2「ひでんからしいけど、私たち認めていないのよ、ですから、返事もしませんでした。挨拶も知らない無礼な人間に、挨拶は不要です」

上手の奥から声が聞こえる。男の声である。

(男の声)「・・・さま~。のっぽんのお茶がありますね~、熱くていいのですね~」

・2 上手へ行き盆を捧げて戻り、振り向いて明るい声で

2「ありがとうマイヤー、門の方をお願いするわね~」

(男の声)「わかったでございます~お任せ下さいませ~」

・2、卓の隅に茶托と湯飲み茶わんを丁寧に置く。

2「Please」

1「どうしてプリーズ、なの。それに私は、コーヒーが欲しかったわ。座りたいし」

2「プリーズは不可欠の言葉です、外交上も個々人の関わりの上にも、です、育ちも現在の暮らしぶりもなっていないあなたには理解できないようですが一応、言って見ました。それと、コーヒーは、お帰りになってからどうぞ。座るならどうぞお掛け下さい」

1「・・帰れるの? ワタシ」

2「お招きしたのではないですよ、私たちは。連れて来られてしまったの、荷物みたいに、あなたを」

1「すごく冷たいのね、あなた」

2「さあ、どうでしょう」

1「今に後悔するかも、ワタシへのその態度」

2「そのままお返しします、その言葉。下らない」

1「ワタシを監禁しているから強気なのね」

2「今すぐにでも出て行けますよ、門扉の外には、あなたを知っている人たちが多分、ずっと張り付いていると思うわ、カメラとマイク持ってね、それでよければ、今すぐに立ち去って欲しいの、私は、いられるだけでイライラするから」

1「そんなひどいこと、言われたこと無いわ」

2「あらそうなの、ふふ」

・2、1に椅子を勧めて自分は舞台正面にしつらえられている「窓」際に寄りかかって外を見る仕草。外に向かって微笑みかけ、そのままの微笑を客席に向ける。美しい微笑。

2「ひでんかを待っているひとが沢山いますよ」

1「追い払うことはできないの」

2「さあ、どうかしら」

・1 は椅子に掛けてお茶を飲み、茶托に戻さずとんと卓に置く。いささかおもねるように2 に話しかける。

1「のっぽん語お上手ね」

2「私はのっぽん人です、国籍はホクオウです。ついでに申し上げますが、この屋敷及び庭園を含む敷地はホクオウ国のものです、あなたはそこへ入り込んでいるのっぽん人。本来は不法に滞在している外国人とみなされて仕方ない立場ですが、主の計らいによって、個人的な客人としてここに今おられます、この屋敷内で何かが起こりましても」

1「ワタシ、不法に入り込んでいたりしないわ、連れて来られているのよ、本意でないわこんなところにいるの」

2「まともな物言いもできないのね、高学歴のひでんか、嘘ばっかりだけど」

1「ワタシをバカにするとしかいしするわよ」

2「どうぞ。私の国の私の住まいで何を仰ってるんだか。存在ごと無くなることがあってもどうしようもないのに」

1「どーゆー意味よ」

2「危機意識が全く無いから、この場で運命を共にする覚悟、なんて立派なのっぽん語も意識にも鈍感、まったくわかっていないバカ。何が*しかいし*よ、情けないわ」

・1 は、2 の言葉を聞いていない。高い天井、青を基調の幻想的な絵を見回して

1「高そうな絵だわ」

2「チャガールです、ひでんか」

1「見たこと無い変な絵ね」

2「中学の美術の教科書にも載っていますよ」

1「ここ、あなたの家なの?」

2「愚かね、家とは言っていない」

1「秘密の出口があるんでしょ、ここ、そこからなら出てもいいわね」

2「あなたのところにはある? 隠してあれこれ、出入りさせるものが、秘密の出入り口が、ある? 。それ、スクープですよ、外で待ってる人たちに撒いてあげたら美味しい話ね」

1「おどすのね」

2「ドスコはあなた」

1「しかいし、ほんとに、コワくないのね」

2「・・・正式な手続きの元に退出なさいますか。私はちっともかまいませんよ、正面から、のっぽん国政府との交渉から始めますか、私の気分的にはその方が望ましいんです。本当は今すぐにでも出て行って欲しいけど」

1「ワタシの父に連絡取ればいいと思いますよ、なんでも解決するわ、あなたは知らないだろうけど」

2「本当に馬鹿ね、あなたって。あなたの父親が誰か知らないけど力の及ばないものもあるのよ。ほんっとにバカな女。底無し。早くどこへでも連絡とって、出て行かれたら。顔見てるのも鬱陶しいわ、どうするんですか。早く決めて下さいよ、快適な生活に戻して下さいな、あなたの滞在した部屋も、きれいにさせなくては。バスもつかってないでしょう、ジャージとかのそのお洋服も着替えていない、マイヤーがびっくりしていたわ、彼はのっぽん女性に憧れて赴任して来ているの、人手が足りないから雑用までさせてるけど、本国では優秀な内務省の省員でしたよ、国へ帰ればまたそれなりの地位に就くわね。その男が、あなたのお膳の汚さに驚愕してた、魚もまともに食べられない、お豆腐はぐずぐずに崩して食べ散らして、お茶碗には御飯粒が残っていてね、こういうひでんかさま~だから、晩餐会なんかに出られる、無理ですね~って、言ってたわ。」

・1 ふて腐れた感じで窓の外に目を放って黙り込む。思い出したようにケータイを取り出して開き、愕然とし、急激におどおどした態度になる

1「あのう」

2「何でございますかひでんか」

1「ケータイ、充電、切れてる」

2「・・・・・」

1「・・・そーいえば、あのデパ地下にいた時から、切れてた・・・電話がつながらないなら死んだ方がマシって気になるの・・・辛いの」

2「家族がどうなっているか、気にもならないのね」

1「あの人たちは、いざとなれば、庇ってくれる人がいるもの」

2「ふうん」

1「邪魔にされてるのはワタシだけよ。本当はワタシだけいなくなってほしいのよね、解ってるわ、だから絶対に放してやらないの。夫はあのまんまでも生かされて行くものねきっと。退いてやらない、悔しいから」

2「性格、本当にいいわね」

1「ワタシのことなんか知らないくせに」

2「少なくとも10年くらい分の知識は詳しく持っておりますよ。あなたが気づいていないことまで分析してるわ」

1「人生ソンしたわ、させられたわ、若くて美貌で実家はいいし前途洋洋だったのに」

・1、ガチガチと指の関節を噛む。右手が終わると左手。2 は、表情を消して5分ほど、1 の姿を眺めている。舞台上には音は無し。

2「ここへ来てから3日」

1「え?」

2「あなたが、馬鹿笑いの発作で呼吸が止まりそうになってここへ来てから3日、経っています。報道がひしめく中、目が上がってしまってひどいありさまのあなたを撮られずに済ませられたのは、あなたに付いて来たSPのおかげですよ、あいこく氏のお仲間の」

1「あいこく?」

・1の形相がみるみる憤怒に歪む。記憶は残している様子である。

1「あいこくってあの。あれが、どうしたですって?」

・1が大きく立ちあがり、卓が揺れて茶碗が落ちる。タオルハンカチもチョコレートの箱も落ちる。1 は頓着しない。

1「あの男のせいでワタシは、こんな目にあって」

・吼える1 。2 は、しばし黙っていたがいきなり話し始める。

2「ではあのまま、外へ出た方がよかったのですか、裏口にもカメラは鈴なりでしたよ、車にもすぐに乗り込める状態で無かった、カメラやマイクの前に、発作で失神した状態のあなたは出て行ってよかった? 撮られましたよ 容赦なく、言葉を控えますが、世界に発信されたらそれこそ生きていられないような有様でしたよ、撮られてしまったらおしまい、でした、断言できます、のっぽん国こーたいしひが硬直して気絶している姿を。みな大喜びで人を踏みつけてでも撮ったはず、あなたも家族も。夫君は・・・情けないですがあの、こーたいしもオツムのお帽子の具合が、バランスが、つまり奇妙なかたちになっていましたし、お子さんは、何か詰め込まれたのか膨れ上がってボコボコになったバッグを、お腹の前に抱えて、ランチに行く、ちこくダメ、と、言い続けておられた。裏口への通路、1メートル手前まで、その状況でした。それを、救って差し上げたのが、あいこく氏の部下、と言いますか、有志の同志。共にすべてを賭けた人びとでした、まずは10人まとまって出て行って、自分たちは重大なヒミツを持つ者どもである、と。それを隠すことはしない、離れたあたりへ移動するならすべて語ると。裂帛の気合、意志を秘めた語調で言い放たれて、一斉に動かれた。ご立派だったそうです、で、報道陣のほとんどは気を呑まれてそれに吊られ、ぞろぞろと移動し、次には説明を受けて受け入れられたこうたいしとないしんのうが、揃って出て来て車に乗り込まれ、車をゆるゆると出し、こーたいしは手を振ってにこやかに・・・そうですね、例のごとく、そして報道陣の残りはゆるゆるの車に合わせて移動し、さいごに、あなたを、催事場で使う薄い敷物を持ち出して来てそれで覆って・・・巻いて、なんということでしょう、ナイトが姫を抱き上げる形に、運び出して・・・あなたの無残な写真を残されること無く、ここまであなたを持って来たのよ」

・2 言葉を切って、肩で息を整える。

2「私の夫の友人、そして私の友人でもある、心情気迫淋漓たるのっぽん男児、ユタカが、その偉業を為しました」

・2 は、今は言葉無く拳を握りしめている1 を、憐れみをはっきりと込めて見つめる。 

2「ひでんか、先ほどのひどいお顔。ああいうお顔でいつも、お住まいの奥で、ご夫君に詰め寄っておられますのね。デパートの地下のカメラにも、総てそのお顔も、写っていましたよ。のっぽん国の善良なる国民の皆さまよりお先に、見せて頂きました。本当にひどい。惨状。醜態。私の愛する母国、祖国のっぽんの、次代の、このお方がおきさき。信じがたいわ、許されません、認められませんよ、そんなこと」

1「デパ地下のカメラ、写ったの、あるの? 見たの? 皆が見た? 」

・1 の表情が、今度こそはしぼんで、いったん立ちあがった椅子に、膝の力抜けたか腰を落とし、がっくりとうなだれる。

1「・・・でも、え、私をだましたSPたちはどうなったの? 刑務所にいる? 」

2「彼らを刑務所に入れたいですか? 」

1「決まってるじゃない」

2「まだ、仰いますか」

・2、窓から離れて上手に去る、残された1 、きょろきょろと周囲を見回し、煙草に手を伸ばして一本取り、くわえて火をつけるしぐさをし、さすがにためらって口から離す。

1「・・・わたし、たばこを吸う自由まで、奪われているのだわ・・・」

・舞台。暗転する。

2「もしも、このまま最悪のまま時が進んで、大切な儀式の時に至って、ひでんかが、あのごとく、お倒れになられるとしたら」

・暗くなった舞台に2 の声が響く。1 の声がかぶさって陰々と続く。

1「タバコ吸いたい、ピザ食べたい、タバコが吸いたい、ぴざを、食べたい・・・」

・この場、幕。


                           続く・・・と、思うのですが。









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  1. 2014.02.18 (火) 00:55
  2. URL
  3. sarah
  4. [ edit ]

行くべきです

英国の王子たちは、テムズ川の洪水に、土嚢積みをなさいました。
のっぽん国のザツコ妃も、山梨の大雪に、雪かきに行くべきでは? 馬力は充分ありそうですし。
おとーさんも、もれなく付いてくる?

関係のないコメントでスミマセン。

「ほんっとにバカな女。底無し。」
このセリフに、心スッキリ~! 
ワタクシ、シモジモの一人に過ぎませんがザツコ妃を「バカな女」という権利があります、働いて税金を納めていますから。
  1. 2014.02.20 (木) 07:58
  2. URL
  3. KUON
  4. [ edit ]

sarahさん。

わたしにも、あの方々を「どーしよーもない」と決めつける権利はあると思います。私も働いて納税しています。しかも、どんどん恐ろしいくらいの金額になって来ている。自分のチビ会社への課税のために、金策が苦しい。そういうことなんです。

でも、治めます。

英国の王子様方はナイスガイです。教育係がしっかりとついていて、女王陛下といえど皇太子であろうと、その方には礼を尽くして接する。

チャールズ王子が十代の頃、何かのはずみで未成年飲酒・・・チェリーブランデーを・・・をやらかしたのが露見して、新聞には叩かれ、王室からは罰を受け、の目に遭われました。極東の女の子がそれを知っているくらい、チャーさんのヤンチャは、しかるべく裁かれてしまったようです。

今、思うと、アイドルと共に、花を手にして階段を上るナルさん、背後には、何とも言えない表情の侍従さん、その写真が撮られたのは、現・ひでえかに初めて会った、直後だったとか・・・。

責任を取らせる覚悟をさせた上で、ヘンリーみたいにパブで泥酔とかも一つの通過点にするか、カーテンの向こうの人として何とかやらせて行くか・・・

sarahさん。もう、無理なのかもしれません、愛子さんは、ママなんかいなくていい、と「友人」に語り、その言葉がその「友人」の方向から漏れてくる。週刊誌は根拠を示さず書く。書くなら、もっと全部書け。と言いたい。石を投げて、戻ってこないあたりで様子見する、そんなんばっかりのようです。

一度、底無し、というセリフを、書いて見たかったのでした。消えろ、とも。

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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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