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KUONのブログへようこそ。

返事の中までKUONです。

  1. 今の思い
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生まれ変わっても。

こんばんは。

先ほど戻って着替えをし、もうすぐ車が来たらお通夜に出向きます。

恵まれた少女時代を経て結婚、ご夫君と共に大陸に渡り、職業軍人であられたご夫君の生死もわからないまま命からがら引き揚げ。

引き揚げ前後のことは、いっさい、口に出されませんでした。

敗戦後、廃人のようになってお酒に溺れて働きもできない夫君と、息子さん三人と一人娘さん。

柔らかい手もかたく節張る仕事にも就き、必死に生活を守る中で、娘さんを十七歳で亡くされ、乞われるままに息子さんの一人を養子に出された。

長男さん次男さんは親孝行な人に育ち、ご夫君を見送られてからは、髪をモダンにカットして口紅は赤、息子がお小遣いくれるの、と喜ばれて、精いっぱいのおしゃれを楽しんでおられた。小柄でしたが、つばの広い思い切ったデザインの帽子もお似合いでした。素敵な靴を、丁寧にはいておられました。

寝付かれて、気も弱くなられて、かけるべき言葉を探すのに辛かった頃。

養子に出された息子さんが病院へ訪ねて来て、お母さんの耳元に口を寄せて、囁かれたそうです。

「生まれ変わってもお母ちゃんの子どもになりたい」

「今度生まれたら、ずっと、お母ちゃんのそばを離れない」

・・・もう、口をきくこともなくなっておられたのに、その言葉に反応して、おお、おお、と、頭を上げようとされ、涙をこぼされた。

息子さんはお母さんを抱きしめ、やはり涙を流し、そして、私のかつての歌友は亡くなりました。

私は若い頃、とんでもなく生意気だったのですが、それがええのや、それでええよ、あなたは、と、豊かに笑って受け入れて下さった。

市井の、名も無き、しかし立派な「日本の女」だった。ナマな愚痴や泣き言、苦労話を、みっともない、と、笑って流しておられました。

心して、お別れの思いを、向けて来ようと思います。


・・・お返事も、明日、ゆっくりとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。



     終の日の御手にもつれし髪梳けばただ幻と思ふ戦は

     つひのひの みてにもつれし かみすけば ただまぼろしと おもふいくさは

・・・その方のお好きだったうたです。出征前夜の若い夫婦の姿、記憶だけ残して還らなかった夫。夫亡きあとを一人で生き抜いた妻の、うたです。




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  1. 2013.11.27 (水) 21:40
  2. URL
  3. achabi
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安らかにお眠りください……と、私も、ご冥福をお祈りさせて下さい。

その方、哀しみや寂しさ、悔しさや怒り……色々なものを心の奥底にひたすら閉じ込めて、それを笑顔に変えて前を向いて生きて来られたんでしょうね。私には、計り知れない人生であったはずで、見ず知らずの方のお話ですが、お会いしたかったなんて思ってしまいます。

養子に出された息子さんとの会話にも、胸が締め付けられます。

  1. 2013.11.28 (木) 00:19
  2. URL
  3. sarah
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ご冥福を・・・

ご友人のご冥福をお祈り申し上げます。

名も無き、しかし尊いこのような人たちがいらしてこその、今の日本があると思います。
戦争というものが、二度と、再び、起こりませんように・・・。
  1. 2013.11.28 (木) 11:12
  2. URL
  3. ひより
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お疲れさまでございました。

ご愁傷様でございます。
お友達のご冥福をお祈りいたします。

満州からの引き揚げの話を伺ったことがあります。
生き地獄だったと言われていました。
ご友人も様々な思いをされながら、お子さん達を守り抜かれて帰国されたのでしょう。
戦争で苦しむのは弱者です。
上に立つ人も、その家族も戦地どころか安全地帯にいて無茶苦茶な指示を出すだけ。
命をかけて戦う…憎しみもない相手と殺し合うのは都合のいい教育を受けさせられた若者です。
戦争は二度と起こしてはいけません。

私は魂の永遠を信じています。
輪廻転生を繰り返すのは、いろいろな経験をして楽しみ、喜び、辛さ、苦しみを知るためだとも思っています。
私は一応仏教徒ですが、イスラムもキリストも神道も尊びます。
元々の教えは純粋なのに、おかしくしているのは宗教になり階層ができたせいです。
神様が戦えとおっしゃいますか?
そんな神様を信じるのですか?
という話になります。
釈迦は何億光年阿僧祇生まれ変わって悟りを開き、仏になりました。
人間も魂を磨くために産まれてきているのかな、と思っています。
前説が長くなりましたが、このような考えに基づくコメントだとご理解いただければ幸いです。

ご友人は辛い学びを終えられて、先に旅立たれた皆さんに暖かく迎えられていると思います。
養子に出された息子さんから、そこまで言われるお人柄です。
素晴らしい方でいらしたんですね。
人は辛いと他人に不満をぶつけがちですが、記事から伺えるのは凜とされつつも優しいお人柄です。
魂を更に輝かせてお戻りになられたでしょう。
微笑んで皆さんを暖かくつつんでいらっしゃるように感じます。

愛する人との別れは辛いです。
辛いですが、いつかは逢えます。
その日のために、この世の土産話をたくさん持って行こうと思っています。

変なコメントになってしまい申し訳ありません。
記事から伝わってくるご友人はたくさんの悲しみや葛藤、弱さも乗り越えて強さに変えられたとお見受けし頭が下がります。
僭越ですが、お疲れ様でございました、と申し上げてよろしいでしょうか?
あちらでゆっくり魂をお癒し下さいませ。
  1. 2013.11.30 (土) 15:33
  2. URL
  3. 奈月
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御冥福お祈りいたします。

先に歌友さんの歌を読みました。
コメントにも書きましたが、何故か泣けました。
泣けたのは、何故か歌友さんが近い日に亡くなられてるのでは?と思ったからです。
素晴らしい息子さん。
愛されて亡くなられたのですね。
私は誰かに愛されて亡くなることがあるのでしょうか?

息子さんはきっとまた、その方の息子さんとして、生まれ変わって来られる様な気がします。
  1. 2013.12.01 (日) 21:51
  2. URL
  3. KUON
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achabiさん。

お久に嬉しいです。お返事遅れました。

優しいお気持ち、喜んでおられると思います。娘さんを亡くされた方で、そのことは、一首のうたにも残されていません。

辛いこと過ぎたのでしょう、顔に泥塗って坊主頭で引き上げた前後のことも。負け惜しみも時に美しいことも、その方に学んだ気がします。

自覚して、しゃっきりあろうと努めておられました。晩年が少しゆったりとお幸せそうだったのが、何よりだったと推察します。日本人、日本の女性、どこかで自覚していたいです。実は思う存分、だら~りと、楽に暮らしているのですが。

わはは。自覚だけは、ね。わはは。また。
  1. 2013.12.01 (日) 21:58
  2. URL
  3. KUON
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sarahさん。

夫君は職業軍人。家の誉れと称えられたその方が、敗戦を機に、廃人となってしまわれた。財産も多く失われたようです。

でも、天皇陛下をお好きな方でした。美智子さんがなあ、と、嬉しそうに今の皇后陛下の話をしておられた。

雅子さんのことは、最初から・・のようでした。うたの先輩としてのお付き合いで、私のことですから、月に一度お会いする以外は、電話もせず手紙も書かず。

可愛がっていただきました。思うとやはり、なんぼでも涙が溢れます。
  1. 2013.12.01 (日) 22:13
  2. URL
  3. KUON
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ひより さん。

共にお祈り下さり、ありがとうございました。

もう、自由な魂になっておられること、きっとお気持ち、ありがたく嬉しく感じておられると思います。

思わずこぼれ出た思い、そのまま出させてもらい、良かったなと。

>>僭越ですが、お疲れ様でございました、と申し上げてよろしいでしょうか?
あちらでゆっくり魂をお癒し下さいませ。<<

そうですね。自分の母親の時に感じたのですが(母は末っ子でした)両親も伯父叔母も兄姉も、女学校時代から付き合い続けた友人の多くも、ほとんどがあちらへ行っておられるのだから(母はひとり息子を生後三日目に亡くしていましたし)、ユキオちゃんもあちらで待っているだろうから、淋しくないだろう、と、薄情なようですが、本気で思ったのです。そうだと思います、ほんとうに。

私も魂の存在は信じています。現実に体験したこともあり。ちゃんと生きていなきゃあかんな、と、自分に言い聞かせています。

ありがとうございました。
  1. 2013.12.01 (日) 22:25
  2. URL
  3. KUON
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奈月さん。

お返事おくれて申し訳ないです。

三人の男の子の末の子が養子に出られたそうですが、中学生くらいだったし、随分恨まれただろうとも、ご本人が昔、言っておられました。

学校へ行かせてやるためにはそれしか無かったと、恨まれても仕方ないと言っておられたので、生まれ変わっても、の言葉は、嬉しかったと思います。泣いたことの無かった方が、ぼろぼろと、息子さんに抱えられて泣き続けたそうでしたから。

最後にそんな親孝行をされた息子さん、お幸せに暮らしておられる方のようです。まっすぐに生きていればそれが、と、本気でまた、考えを深めている甘ちゃんの私。

>>私は誰かに愛されて亡くなることがあるのでしょうか? <<

胸の抉られるようなお言葉ですよ。

どんな方かわからないので、うかつには「もちろん」とも言い得ませんが、きっと心の柔らかい方であろう奈月さん。

知らないところから知らない何かが、あなた様を見ておられます。そう思う。

そんな淋しいことも時に口に出しながら、なんとか元気でいましょうぜい!。ね。


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プロフィール

KUONの久遠

Author:KUONの久遠
     ・・・・・・・・・・・・・・

四十年以上住み慣れた奈良の地を離れ、海の近くへ越してまいりました。

海の見ゆる高層の部屋に耳遠き
夫(つま)とふたりの暮らし始むる

明確に、残生を意識します。余分なあれこれはもう要りません。
シャネルの赤いルージュは変わらず。生意気なままの私でいたい、いようと願っております。

    ・・・・・・・・・・

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