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ブログタイトル変えました。中身は変わらずKUONです。

6年目の慶事

とし若い友人の、結婚式に招かれて祝って来ました。

およそ6年前に知り合った女性です。今までにも何度か記事にさせていただきました。

名前は仮に、薔薇子さん、と。娘さんが小学生で小薔薇ちゃん。息子さんが「大将」(笑)。

あの事故の後、福島から、ほぼ着の身着のままで関西へ来たこの母子を、ごっつい腕で三人とも抱えてくれるのが、新郎になったエエヤンさん。

人前結婚、そのまま披露宴へ移行した場所で、エエヤンさんは、妻と二人の子を傍らに、ずっと泣いていました。身内の無い人で、でも、一緒に泣きながら祝福してくれる友達が何人も出席しておられて。

薔薇子さんがこちらで出会って友達になった女性たちも皆、嬉し泣きでメイクぐちゃぐちゃで。

すてきな結婚式でした。

今まだ心が感動で波打っている状態、二年前の記事から、薔薇子さんのことを少し、ご紹介させていただきたいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

原発事故が起きて、焦って、こうしたらいいのではないか、できたらこうされたら、みたいなことを、事故後毎日、書き続けていた当時。

省略しますが、そんな中で知り合って、私の言うことを信じて下さった方の一人が、薔薇子さんでした。

結果的に、幼いお子を二人連れて、関西へ来られました。知人の一人もお持ちでなかった。本当に後押ししてよかったのか、私は間違ったのではないかと自問ばかりでした。

職場を離れられない・・・家族のためにも・・・夫さんと、何代にもわたってその地で生きて来られた夫さんのご両親を置いて、その反対を押し切って、自分名義の通帳をだけ持って、来られたのです。私自身は実際は何もできず、そういった活動を始めておられた方々に、薔薇子さんを紹介しただけでした。

今のこの国は、その気になれば、本気でお願いすれば、新品に近いような布団から衣類、食器やタオルやテレビ冷蔵庫、洗濯機に至るまで、見知らぬ地へ、子どもの健康だけを思って移り住んで来た若い母親のために、揃ってしまう国でもあります。

薔薇子さんは、住まいに落ち着いた夜から、お風呂に入ってお子たちに絵本を読み聞かせて安心して眠れる暮らしに、入られました。私は、彼女がその住まいを得るために必要だった「保証人」には、ならせてもらいました。

固定電話をひかなくても、携帯電話があれば事足りる時代でもあります。薔薇子さんのもとには、いつまで逃げているんだ帰って来い、自分はいいだろうが家をどうするんだ、自分勝手もいいかげんにしろ、と、電話が鳴り続けるようになりました。それもよく解ります。

解る。放射性物質は目に見えず匂いも無く、気に掛けることから気持ちを離していられれば・・ひどい言いようと思います・・でも。

現実の生活には女手が要る。

ときどき、薔薇子さんの都合のいい時をはかって気晴らしと称して誘う駅前のスタバの隅っこの席で、薔薇子さんは、ぽつぽつと話してくれるのでした。

わかるんだよ、私。あの人は何もできない人だもの。働いて帰って、子ども膝に乗せて機嫌よく呑んで、ずっとそうしてたんだもの、それでよかったんだもの、洗濯やらは祖母ちゃんがしてくれて、魚は祖父ちゃんがさばいた、祖父ちゃんも祖母ちゃんもいい人、優しかったよ私にも、でも怒ってるんだよね、今、私だけ逃げた、ダンナも年寄りも放って行ってる、って、

私、自分だけだったらこっちへ来なかったものね、子どもが心配だった、あっちの医者も信用できんかった、子どもをあそこから離してやりたかったんだよ。

それだけなんだよね。


薔薇子さんは、真っ赤になった目を私に向けて、でも、絶体に泣かないのでした。夫や義父母には「申し訳ない」と言うのでした、必要以上に済まながっていました、でも子どもが、と。

やがて彼女にかかって来る電話の数は減って行き、途絶えました。薔薇子さんの夫は、新しい生活に入って行ったのだそうです。

仕方ないよね。そう、薔薇子さんは言い。

あの人だって淋しいんだよね、それはそうなんだよ。

そう言いました。相手の女性を、薔薇子さんは知っているようで、納得行きかねていそうな様子は感じましたが、詳しくは語らなかったし。私も聞きません。

淋しい同士がね、ひっつくって仕方ないよね、私はそばにいないんだから仕方がないよ。あの人だって仕事疲れて帰ってね。

どうにも淋しい時はあるよね、仕方ないもんね。


・・・そんな話を聞いたのは、一年ほど前の、春の頃。

どんな時も薔薇子さんは、一途な目をして。子どもからお父ちゃん取り上げてしまったから、大事にしてやらんとね。と言うのでした。

仕事を選ばず働いていました、同じ母子家庭の女性と助け合ってもいたようです。私がはじめの頃に用立てたささやかなお金も、ケーキを添えて返してくれました。

長女の小薔薇ちゃんは小学校へ上がり、息子の「大将」はよく食べてよく笑い。

ちゃんと見ていた人がいた、ということでしょうか、このたびのことは。

・・・・・薔薇子さんは、こういう風に書かれたとは、知らないままだと思います。

夫さんを、好きで好きで結婚した人だったよ、と、今も言う女性です。あっちもうまいことやっているといいな、と。優しい人だから大丈夫と思う、とも。察するに、ずいぶんなこともあったのに、口に出しません。離婚届もいきなり送りつけて来られたのに。

・・・さりげなく聞いてみた「皇族について」は、どうでもよく、ぜんぜん関係ない人たち、とのことです。それでいいのだと思います。

去年は三度、薔薇子さんと小薔薇ちゃんと大将に会いました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

ここまでがかつての記事です。少しだけ手を入れましたが、ほぼそのままです。

少し前、結婚式に来てくれるかと訊ねて来た薔薇子さんは、エエヤンさんが3月11日に日取りを提案した時、即答できなかったと教えてくれました。

沢山の人の運命がひっくり返った日なのに、自分たちがその日に幸せになっていいのだろうか、と、言うのでした。

一瞬つまりましたが、エエヤンさんの云う通りでええやん、と答えていました。

とにかく薔薇子さんは、幸せになればいいんだよ、堂々としっかりと、幸せになって。それがいいと思うわ、と、私は答えました。

新婦が焼いたケーキの台に、お子さん二人が飾りを載せたといyケーキ。友人さんたちが作って下さったという料理あれこれに、お寿司をケータリングして。

心のこもった結婚式に招いていただきました。新夫婦のご両親は四人ともすでに、おられません。でもわかっていて、お喜びと思います。

エエヤンさん、薔薇子さん、小薔薇ちゃん、大将。

いっしょうけんめい、幸せになって下さいね。

本当に、おめでとうございます。


あの大震災、津波、原発事故。

大変な目にお遭いになられた多くの皆さまのみ魂の、安らかであれらますよう、6年目の今日、心を籠めて。






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コメント

エエお話しでした。

昨日は、気持ちの中で手をあわせました。

昨日、卒業式で袴を履いた若い女性を街で見ました。

震災は悲しい日だけど、
春は、入学、入園、卒業、入社、
門出の季節でも、ありますものね。

改めて、おめでとうございます。

あれから6年・・・3月11日

Kuon様 おはようございます。
年が明けてあっという間にこの日を迎えたように思います。

自主避難に関しては色々な意見がありますが、人それぞれに違う考えや事情があって、誰もが納得の行く着地点はないように思います。
そんな中で薔薇子さんがお子さんの健康を最優先したことで本来の家庭を失ったものの、必死に生きる中で新たな家庭を築くことができて、本当に良かったです。
大好きで結婚して何も問題なく生活していたはずが、何かのきっかけで一緒に暮らせなくなり、嫌いになったわけではないのに元には戻れず、離婚してしまったという人は、意外に多いです。
理由が大震災というのでは、自分達には全く非がなく、憤りをぶつけたり責めたりする相手もなく、つらい気持ちをただ抱えている状態。自分がもしその状況ならどうしていたか、想像ができないほど複雑な事態です。それでもKuon様や周囲の方々に出逢って、前向きに過ごせたからこそ、やっと少しは肩の荷を下ろせた感じですね。
3月11日に自分がおめでとうと言われることに抵抗感を持つような、心優しい薔薇子さんご一家のご健康とお幸せを心からお祈りします。

お返事遅くなりました

・華さん

私も、追悼は、人前でなくひそやかに落ち着いて、させていただきたい一人です。

かの国の「泣き女」、随分前に知った時、そういう文化(?)があるんだと、ある種感心のような思いを持ちましたが、自分とは違うなあと。それを言って「あなたはとことんの差別も飢えも知らないから」と言い返されてびっくり。「不幸」を比較などできません、黙っていましたが。

ある方が「おめでとう」の言葉を下さったと、彼女に伝えました。

ありがとうございます、と、とても喜んでおられました。


・きく・かおる さん

自主避難にも彼女が戻らなかったことにも、とにかく非難の方が多かったです。少し経ったら戻られた方も多く。私自身、人の家庭を壊して、とか要らんことして煽って、など言われましたし、一番多かったのは、奈良のヒトに何がわかる、何も言われたくない、という言葉でした。

そうだろうなあと当然、思いました。苦しいから言わないで、の気持ちは、わからなくはない。でも、と。お節介にも考えた、けど、つまりもう、何も言えない言わない、に、変化して行きました。思えば辛いのですから。知れば苦しい。

で、私は、何も失っていない奈良のヒト。に、違いないのですから。

年に何度か東北へ行っていましたが、多分今年は行かないでしょう。

いろんな、いっぱいの理由があります。いつ行っても喜んで下さったおばあちゃまが、去年、亡くなりましたし。理由はいろいろ。言えない言わないことがいっぱいある、これが、心の隅っこにドスンとある思いですが。考え始めると、いろんな思いがいっぱいです、もう、それだけ。

薔薇子さんとは、基本の思想信条も違う、それは当たり前、当たり前ながら

強い母となってさまざまな要求も出しながら生きて行く彼女と、可愛いお子さん、妻を愛し子を受け入れて生きて行く優しい夫さん。元気で幸せに、ただそれだけ、心中にて願っているのが、唯一、私にできることのようです。

>一家のご健康とお幸せを心からお祈りします。

このような思いを下さる方がおられること、お伝えしますね。ようやく泣き顔見せられる相手がいてくれるようになった薔薇子さん。きっと喜んで感謝して、泣いてしまうかな、と思っています。誰も責任をとらないこの国で。

ありがとうございます、と、僭越ながら私からも・・・



「エエヤンさん、薔薇子さん、小薔薇ちゃん、大将。
 いっしょうけんめい、幸せになって下さいね。
 本当に、おめでとうございます。」
お師匠のこの言葉をお借りして、私も新しいご家族の幸せを心からお祈りします。

あの時から、もう6年、まだ6年・・・。
「忘れてはいけない」ことが年々多くなりました。
悲しみより怒りが多くなりました。

でも、このお話に、喜びが一つ、増えました。
お師匠のおかげです、ありがとうございます。

・sarahさん

お久しぶりです。コメントありがとうございました。

sarahさんが、歩いて歩いてようよう、お母さまと猫さんたちの待つ家へ帰りつかれたあの日から、六年たちました。

三月で政府主導の除染は終わる、など聞いて、胸がざわついていましたが、いわゆる「除染」の対象が変わるだけだとのこと。続きます。

「除染は移染」との思いは変わりません。矛盾だらけのことではあります。

言って詮無いことだとの思いは、胸にしみつきました。

薔薇子さんは意志の強い女性で、何よりまずお子たちの未来のこと、そしてご自分が、お子たちの未来のしょうがいにならないこと、を、考えて、行動されたと思います。エエヤンさんには、そういった生き方のパートナーであることを願われたようです。彼はそれを受け入れた、何より薔薇子さんが、一途で魅力的な女性だったから、だと、私に教えてくれました。そうだと思います。つまり気が強いってことだねと笑った。(笑)。

sarahさん、ありがとうございますね。お気持ち、お伝えさせていただきますね。

また。

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